宗教消滅
資本主義は宗教と心中する
日本の宗教に異変が起きている。
かつて隆盛を誇った新興宗教は、入信者を減らし、衰退の一途をたどっている。
著者は、毎年恒例のPL学園の花火が「地味に」なっていることから、日本の新興宗教の衰退を察知。
日本の新興宗教の衰退は、なにを意味するのか――。
本書は、世界と日本の宗教が衰退している現象を読み解きながら、
それを経済・資本主義とからめて宗教の未来を予測する。
共同体を解体しつくした資本主義は、宗教さえも解体し、どこへ行きつくか。
拠り所をなくした人はどうなっていくのか。
ポスト資本主義の社会を「宗教」から読み解く野心的な1冊。
1章 誰も神を信じない世界
・福音派が中国で10%を超える
・再びイスラム教に支配されるヨーロッパ
・ブラジルでカトリック信者が激減
・神を信じる人が激減するアメリカ
・テロリストを夢見るヨーロッパ移民
2章 資本主義が宗教を殺す
・財政破綻のギリシアに共同体はゼロ
・周縁をなくした資本主義
・資本主義は、宗教という共同体を破壊する
・ポスト資本主義時代の宗教
3章 宗教が世俗化する国・日本
・崩壊を予感させたPLの花火
・信者数、55パーセント減の衝撃
・高野山の参拝客が激減
・法隆寺の拝観料が安くなる
・修学旅行がなくなり、疲弊する奈良仏閣
・すすむ日本の宗教の世俗化
・じつは危険水域の宗教団体
・「宗教=ムラ」を失った地域コミュニティ
4章 日本の共同体=宗教とはなんだったか
・創価学会はかつて「教育」を担っていた
・都市の若者とつながっていた新興宗教
・織田信長とアッラーの共通点
・名古屋に居続けるトヨタの強さ
・家族が最後の砦
・家族の格差が人生を規定する
5章 資本主義は、宗教と心中する
・格差の受け皿としての力を失った宗教
・やっぱり「葬式」はいらないのか
・人口の減少
・スピリチュアルは、共同体を志向しない
・AKB、サッカーに代替される現代の共同体
・孤独死の急増、その背景
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(C) Hiromi Shimada 2016
出版日:2016/02/05