生物の中の悪魔

生物の中の悪魔

「情報」で生命の謎を解く

  • ポール・デイヴィス

生命の秘密に挑むスリリングな科学読み物

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本書は、著名な物理学者である著者が、最新科学の成果を「情報」という概念から捉えなおして、生命の秘密を解き明かす、スリリングな科学読み物です。

著者は冒頭に次の問いを投げかけます。

・いったい何が、生物と他の物理的システムとの違いを決定し、生物を特別な存在にする「活力」というものを与えるのか?
・そもそも、「生命」というのは、どこから来たのか?

この問いは、20世紀半ばに「生命現象を物理法則で解明できるか」という問題提起をしたノーベル賞物理学者シュレーディンガーを嚆矢に、多くの科学者が研究を重ねましたが、未だに決定的な成果を上げることはできていません。

しかし今日、その答えはすぐ間近にあると著者は説きます。その答えを導き出きつつあるのは、コンピュータ科学、化学、量子力学、そしてナノテクノロジーなどの分野が重なるところにあります。そして、これら様々な分野をつなぐキーが「インフォメーション(情報)」です。

本書は、「情報」という概念をキーワードに、情報と物理現象との関係、生命の誕生と進化、意識の発生といった話題を、最新の研究成果とエピソードを通して紹介し、「生命の秘密」を解明しようとするものです。

特に、本書のメインというべき4章と5章では、20世紀半ば以降に急速に発達した、コンピュータ科学と量子力学を通して、生物の細胞や進化、そして多細胞生物の宿命ともいえる癌細胞の発生の過程を説き明かしていきます。さらに、近年大きな注目を浴びている「量子生物学」の分野で解明されつつある、生命の謎に関する発見を解説します。

はしがき
第一章 生命とは何か
 さらば生命力
 生命は驚きをもたらす
 生命メーターの厄介な問題
 太古の分子の物語
 生命=物質+情報
第二章 悪魔の登場
 分子の魔法
 情報を測る
 生半可な知識は危険である
 究極のノートパソコン
 悪魔の心を読む
 情報エンジン
 お金のための悪魔――いまこそ応用悪魔学に投資を
 生命のエンジン――細胞の中の悪魔
 ビットを超えて
第三章 生命のロジック
 無限とその先へ
 自らをコピーするマシン
 ゲームとしての生命
 生物学者はラジオを修理できるか?
 生物学的回路と生命の音楽
 モジュールとしての遺伝子ネットワーク
 集合知
 形態形成の謎
第四章 進化論二・〇
 電気モンスター
 ラマルク説に手を出す
 遺伝子の中の悪魔
 がん:多細胞生物の残酷な代償
 がんの進化上の根源をさかのぼる
第五章 不気味な生命と量子の悪魔
 量子論のとてつもない不気味さ
 トンネル効果
 光のダンス
 不気味な鳥
 量子の悪魔が鼻を高くする
 量子生物学:どこにでも見られるのか?
第六章 ほぼ奇跡
 はじめに……
 生命はどこで誕生したのか?
 生命はどのようにして誕生したのか?
 実験室で生命を作る
 影の生物圏
第七章 機械の中の幽霊
 誰かいるか?
 心は物質よりも上位にある
 時間の流れ
 電線の中の悪魔
 マインドメーターの作り方
 自由意志と主体
 量子脳
エピローグ
図版のクレジット
巻末注
参考文献
索引
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価格:2640円
ページ数:328ページ
出版日:2019/08/21

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