カラクリ荘の異人たち4 ~春来るあやかし~
カラクリ荘にやって来て僕は変われたのか!? ――あったかい場所にお帰り。おまえのまわりにはいっぱいあるよ。……勇気を出して手を伸ばせば、届くものも、伝わるものもあるのだと空栗荘へ来てから太一は知った。失っても、たとえやりなおしはできなくても、先へ進むことはできるのだと――教わった。
「幽霊を見たことがある?」と、クラスの、それほど親しくもない男子に問われた太一は「ある」と答えた。なにしろカラクリ荘に来てからというもの、幽霊どころか妖したちの絡む色々な事件に巻き込まれてきたのである――が、そこがうまく説明できない。そもそも人との距離がうまく掴めない太一にとって、彼がなぜそんな話を自分にしてきたのか皆目見当もつかないのだった。だが、理由を訊けぬままに別れた後、自分でも不思議に思うほど、その事が気にかかってしまう。以前の自分であればそんな事はなかった。なのに――なぜ!? 賽河原町に春風が吹き、少年の心にも、小さな春が訪れる……。ハートフルご町内妖怪奇談第4巻!! ※電子版は文庫版と一部異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください
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(C) Kei Simojima / SB Creative Corp.
出版日:2010/04/13
「カラクリ荘の異人たち」シリーズ
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