無神経の達人
マサイ族をも虜にする「コミュ力おばけ」の社交術
そもそも「コミュニケーション下手」といわれる日本人。
コロナ禍でその傾向はいっそう強まり、「人と会うことは暴力的」との論調さえ生まれている。
だが、世の中を見渡せば問題が山積み。国内外を問わず今まで以上に人との関わりが重要になり、よりはっきりと自身の意思を伝えなければならない場面が増えることは必須である。
「言わずもがな」「以心伝心」「ツーカー」「腹の探り合い」「あ、うん」……そんな従来の日本的なコミュニケーションはとっくにオワコン。日本人には「無神経さ」が足りないし、コミュニケーションはもっと「雑」でいいのである!
「マサイ族とも打ち解ける男」「コミュ力モンスター」として知られる千原せいじが、日本人離れしたコミュニケーションの極意を語る。
「がさつ」「無神経」「デリカシーがない」――。
僕を表する言葉は、弟・千原ジュニアの「残念な兄」が一番手だったと思いますが、今やすっかり「無神経キャラ」が定着してるみたいです。
たしかに僕は、思ったことは思ったとおりに口に出すし、見たものは見たまんま表現する。僕からしたら、それは当たり前で、「何が変わってるん?」と思うけれども、どうも世間の常識では違うらしい。さらに、ちょっと世の中を見渡してみれば、なんだか、みんな生きづらくて苦しそうに見える。
そう思って振り返ってみると、僕には、人間関係の悩みがありません。「人の悩みの大半は、人間関係に起因する」なんて言われているなかで、けっこうすごいことだし、かなりトクな人生を歩んでるんじゃないかとも思います。
人と接することに難しさを感じてる人が多いんだとしたら、無神経といわれる僕のコミュニケーションのとり方が、何かのヒントになるかもしれません。
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はじめに
第1章 世界を虜にする「無神経さ」
●コミュニケーションは「とったもん勝ち」
●いきなり「打ち解けた感じ」を出すテクニック
●話しかけられたら乗らない手はない ほか
第2章 心得(1)「自分、大したヤツちゃうで?」と認識する
●他者に優しくない人たち
●日本人のホスピタリティは「お・し・つ・け」?
●気遣いに見せかけた「善意の押し付け」
●「かわいそうな人たち」に同情したい欲 ほか
第3章 心得(2)とにかく「普通」でいい
●「普通の親切」を差し出せない人たち
●「普通の親切」を受け取れない人たち
●「匂わせ」「遠回しなもの言い」「謙虚さ」はすべて不要
●人付き合いは「アホ」でいい ほか
第4章 心得(3)とりあえず乗っかれ!
●笑え、乗っかれ、楽しめ
●楽しみ上手で人気者の「菊池くん」 ほか
第5章 心得(4)ネット情報は二の次三の次
●アルゴリズムに縛られたネットより「生身の人間」を信用しろ
●情報が少ない人ほど極端な考えに陥る
●ネット情報以上のリターンを得るには
●実体験の多さは、選択肢の多さにつながる
●実体験の多さは人も惹きつける ほか
第6章 心得(5)ケンカ上等! 人は違って当たり前
●価値観、意見は違って当たり前
●クレームは「未来への投資」である
●「はっきり言わない美徳」なんてクソくらえ
●トラブルはあえて大きく
●卑怯者大国ニッポン
●素晴らしいものは「反対意見」から生まれる ほか
第7章 心得(6)切るべき人間を見極める
●「いろんな人がいるなあ」が自分を守る秘訣
●「人の評判はコントロールできない」と割り切る
●悪口は言ったやつが損をする ほか
第8章 心得(7)無神経にも「流儀」がある
●日本には「悪しき神経質」がはびこってる
●「いらんこと言う」にも効能がある
●興味を持てる人とだけ付き合えばいい
●ハエを退治したナンバー1ホステス
●「年老いた人」を「老人」と呼んで何が悪いのか ほか
第9章 日本人のコミュニケーション、僕は、こうしたらいいと思う
●愛される人たちの共通項
●何があっても、何とかなる
●人間関係に誤解はつきもの、ヘコむ必要ない
●「マニュアル至上主義」が見過ごすもの ほか
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(C) Chihara Seiji/Yoshimoto Kogyo
出版日:2023/04/05