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199Xのウッドボール通信

199Xのウッドボール通信

  • 塩崎剛三

ファミコンとゲーム雑誌が
日常だったあのときの備忘録

「ログイン」副編集長、
「ファミコン通信」編集長を歴任した
著者が語る、1982~1996年の、69粒の記憶。

著者が懇意にしていた飲食店や、
思い出深い場所と時間を拾い上げ、
南青山グルマンの日々&閉じられた過去の備忘録。

古巣に別れを告げた1996年の「アスキーのお家騒動」。
この年の6か月間に、筆者の周辺で何が起こったのか……!?

あのころの歴史が風化していくのを、もう黙って見ているつもりはない。
当事者の約半数が故人となってしまった今だからこそ、
書物という形で、しっかりと記憶の蓋を開けてみたい……!

曇り空の中、僕は旧玉川上水の緑地公園をトーシンビルに向かって歩いていた。

従業員400人を超える巨大部隊。
「ログイン」「ファミ通」「アイコン」をはじめとして、
年間100冊以上の雑誌や書籍、コミック、ゲームソフトなどを刊行、発売している。
僕はそのセクションの担当役員で、小島さんは担当常務だ。

1996年になってからの小島さんは、出社拒否状態になっていた。
僕が担当する第二編集統括セクションは、
去年の後半から数億円の追加増収増益を要求されていて、
その捻出した増益の使途に不明点が多かったため、
小島さんは何回か社長と衝突していたのだった。

会社に来るとたぶん、
問題視されている使途不明金と不本意な追加増益捻出の件で、
社長とさらなる衝突になるのが明白なので、それを避けていたのだろう。
いったん衝突してしまうと、しっかりした今後の方針を示さなくてはならない。
それには、まだ時期尚早だ。
この冬の一連の出来事に関してどう対処していくべきなのか、
小島さんにしても、じっくり噛み砕いて考える必要があったのだ。

※カバー画像が異なる場合があります。

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価格(税込):2,420円
出版日:2025/12/20

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