絵が特徴的で美しいです。 モノローグ的な展開で、コミック/漫画になれた人なら、物足りないと感じるかもしれませんが、モノローグの話を追っているかんじで、自分には好みでした。、 結婚の意味とか貞操観念が今より強かった時代を背景とする小説の作品でしょうけれど、いろんな悩みやためらい、不安を感じながらも、結論を出す若い女性の姿は勇気があると思いました。 スペイン語ができないから、できる仕事がほとんどなく、家族の世話に明け暮れる日々。その家族も気が合う家族でもありません。 「お母さん」と亡くなった母を思いつぶやくヒロインの孤独と静かな諦めを感じました。 話の中では、元恋人の出現や山火事など、大きな出来事がありますが、ヒロインの心の中の世界を静かなトーンの中で描いていったような、その静けさが、気に入りました。

非常に甘々で、ホッとする内容のお話でした。 現実にはそういう事はまずないだろうから、余計に、夢物語という感じで、ささくれだった私の気持ちを和ませてくれました。 他の人の批評では、なぜ叔父夫婦を訴えない？とか、現実的なことを書いてありましたが、多分一昔前の英国なら、そして、精神的に貴族的な考えをする人なら、裁判でかたをつけるという方法を取らないだろうなと思いました。叔父夫婦の一人息子も自殺して、まあ因果応報だが、叔父夫婦も苦しんでいるだろうからと。 叔父夫婦の横領が分かる前から、ヒロインは、「おじ様達は誰かのせいにせずにはいられないのよ」と言っていたことからも、ヒロインの優しさ、気高さがわかります。 とても素敵な物語でした現実には有り難いけれど。

よく知られて映画化もされた作品ですが、漫画で読むのも面白みがありました。 普段のハーレクインの恋物語なら、歴史ものでも、ものすごく盛り上げがあり、ドラマチックです。 一方望月先生の作品は、筋をきちんと再現しているだけではなく美しい建築物や女性の衣装に感心しました。 ダーシーの無表情で、感情をうちに秘める性格、でも人を深く思う気持ちはやはりいつもの黒髪のヒーローの役どころかなあなどと思いました。 絵として面白かったのは、コリンズ牧師と、リジーの母親です。まあ、こんな感じの人達だったのだろうなあ…。 最後はハッピーエンドでホッとしました。 本当の現実にありそうな恋物語は、このように、派手さのない出来事の裏に人の気持ちが潜行していくのだろうなと思います。、