曾祖母の日記をもとに恋の駆け引きを繰り広げるその初々しさがほほえましいですね。展開はオーソドックスで先は読めますが、その分その愛らしい恋心を懐かしく思いながら見守っている気分になれます。雑誌の記事に振り回された思春期、あなたも覚えがありませんか?　そんな印象でした。

最後の端折り方が惜しいです。ページの都合上仕方ないとわかってても、いろいろと惜しいですね。ヒロインの愛され方が結果的に庇護欲に似ていることもあって若干すっきりしませんでした。ヒーローはかっこいいんですけどね。

ヒーローがかっこいいのはこの際置いておきましょうか。できすぎてて触れる場所がないんです。個人的にはヒロインがかわいくて強くて大好きです。一本筋が通ったお話で、読んでいて違和感をあまり感じることがありませんでした。愛って、こうあって欲しいです、ほんとに。

作家さんがまず大好きなのです。 美しい女性と美しい男性のラブロマンスに退屈さを感じさせない強いヒロインと言うエッセンスを織り交ぜて、ハッピーエンドがより素敵に感じられる作品に仕上がっています。 ハーレクインのコミカライズはどうしても端折りすぎた物足りなさが付きまとうのですが、この作品に関して言えばその心配はありません。 砂漠の中で美しくもたくましく咲くバラのようなストーリーを楽しんでいただけるのではないでしょうか。

原作を読んでいないので物語の唐突さや尻切れ感、ご都合主義的な進み方は仕方ないかと思って読みました。 絵がとてもかわいいですね。 ほんわかとした愛されキャラに振り回されるイケメン、そしてお母さんのナイスアシスト。 全編にはらはらどきどきといった感覚は薄いものの安心して楽しめるお話でした。