蜘蛛に魅了されている子爵ジャスティニアン・ブロムウェルと平凡だけど自分を必死に守っているコンパニオンのネルが蜘蛛の糸の様に織りなすラブストーリー。 　それぞれが相手を理解し、その為に自らの心に痛みを感じながらも「正しさ」を差し出す二人。 　解決案がちょっと意外だった私です。 エピローグの行間がもう少し書いてあったらもっと嬉しかったかも、などと思ってみたり。 　 　しかし、あの名前！で良かったのかしら 彼女は苦労するんじゃないかしら？（笑） 　この（ひっそり）シリーズでは1番お気に入りだったバギーが彼にとって最高のハッピーエンドであったことが嬉しい一冊でした。 　シリーズとして追いかけていない人がこの作品だけを読んでしまうのは勿体ないので、是非「あのキスの記憶」　弁護士サー・ダグラス・ドゥルーリー＆お針子ジュリエットを読まれる事をお勧めします！！！

　リージェンシーですが、当時としては殻破りなヒロインと、仲の良い5人のヒーローが一作ずつ主人公として恋に陥る一連の作品群の1作になっている感じです。 　前作の「薔薇のキスであなたを」を読んだ事があり、その中でも陰があり無口に佇むヒーロー、ドゥルーリーが主役です。 　戦争中に心に怒りと憎しみの傷を追い、躯も瀕死の状態からイギリスへ戻り弱者の為に戦う弁護士のヒーロー、前作では一途な愛を求めたもののファニーに振られています・・・。 　それでもフェニーに適切なアドバイスをする彼に、ハートをキュンキュンされられた後の本作。 　敵国であったフランス人ヒロインとのロマンスも一筋縄では行かない谷がありました。 　ドゥルーリー可哀想！でも、可哀想なのがタマラナイ！ 1.恋物語の悪役をあなたに 2.薔薇のキスであなたを ときて、3作目が本作にあたります。 　実は酷い描写がありますがサラッと書かれてあり、読み終わった後に引きずるようなこともありません。 　もっと長編になっていたとしてもおかしくない内容なんですが、ドロドロ感なく読ませるのは流石って感じです。 　哀しい奥様の腹立たしい旦那さんを、どうやって追詰めるのかチラッとでも書いてあったら、もう少し気が晴れたんですが 彼らなら、やってくれるでしょう！ 　他の方も書いていらっしゃいますが「バギー」がヒーローの 連作4にあたる「幕開けは子爵のキスで」をこれから楽しく読めると思います。