黒田さんの描く黒髪のヒーローがとっても！好みなのですが、あとがきを読んで納得しました。原型は「高慢と偏見」のミスター・ダーシーだったのですね！　激しく同意いたします。ええ、わたしもあの方にやられてしまってファンになってしまったひとりです。「雪のプロローグ」もとても好きな展開で、紳士でありながら率直にヒロインにせまるヒーローにくらくら。大人の男性ですね～。

わたくし結構なお年なので、作者さんが漫画雑誌で活躍されていたのを覚えてます。優しいイメージそのままの画風で、丁寧な描写、安心して読めました。お相手が強引なのにかわいく思えて二重丸。想い人の気をひこうと頑張っている様子がいい。単純そうだけど誠実だし。ラテン男のイメージがよくなりました。＾＾

あまりにも辛い経験をすると、感情は麻痺してしまうものかも知れません。どんな言葉も心に届かなくって。「自分よりつらいひと」なんていない、そう思うのですね。読んでいてお話の半分くらいから涙が止まらなくなって、困りました。人と人との関わりって、大切なんですね。何も感じなかった心が、少しずつ感覚を取り戻していく過程がじわじわ来ます。自分が行動することで誰かを幸せに出来る、と思えるのって素敵です。そして、誰かを笑顔にしてあげることで、自分が幸せになれるんですね！　

感情を抑えた表現がちょっと物足りなかったけれど、面白かったです。オフィスの女性陣がよかったな。上司に対する尊敬＆愛情が少々屈折している。でも、彼はきっといい上司なのでしょうね。働きやすい職場なんだと思えました。お話の雰囲気はけっこう好きです。

ふつう、自分がしてあげたことはよく覚えていて、人からしてもらったことは忘れてしまうものだと思うんです。でも、このふたりは相手から示された誠意や愛情を真正面から受け止めて、それに対してなにを返せばいいか懸命に考える。ハナが花婿に贈った結婚の贈り物の意味、そして彼もその価値を理解できる素敵な男性。涙がこぼれました。このふたりが導く王国の未来はきっと明るいものだと思えます。

ローンを組むときの金利も念頭にない女性が、仕事が出来るとはとても思えないのですが・・・。きっちり契約書を読んでいれば分かることでしょう。人を和ませる雰囲気はいいのに、なにか設定に無理がある気がしてヒロインに感情移入出来ないのが残念でした。未婚でばりばり仕事をしながら子供を育てたおばの苦労を思ってしまうわたしは、やっぱりおばさんなんだな・・。（苦笑）

分別と常識を振りかざし、美人でない自分にはロマンスなんて縁がないと思っていた姉。情熱的な恋をして結婚し、幸せになりたいという夢を持っているがぱっと燃えあがり、すぐ終わってしまう恋を繰り返す妹。ふたりとも美人だし、標準以上の能力があり、根性もあり、性格もいい。本人さえその気になればいくらでもチャンスがありそう！ お相手の男性とまっすぐ向きあい、自分を見つめ、変わって行く過程が素敵でした。特に妹のお話が好きです。タイトルが象徴的で、彼女が大人の女性として成長していく姿がいい。お相手もお気楽な金持ちのぼっちゃんだと思っていたら意外に堅いビジネスマンで、ちゃんと自分の足で立っているのが好感度高い。そう、何事も他力本願じゃいけないのよ！幸せになるためには！！

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お相手のマットが個人的につぼ。黒髪・眼鏡（眼鏡のフレームもおしゃれ。似合わない人がかけてたら、きっと滑稽に思えるだろうけど、すごく気に入りました）。天才といわれる頭脳に、誠実な人柄、丁寧な物言い、さらに子煩悩な父親でもあるなんて！　お子さんもとても素直で可愛くって、彼が愛情込めて育てていることが分かります。こういう男性だからこそ、ビアンカも心を許してしまうのですね。終わり間際に出てくるおばさんの台詞が面白かった。しあわせになってね、と言いたくなるお話でした。

実は作者さんの絵があまり好みじゃなかったので、パックにあったのに未読でした。それが「熱い手ほどき」を読み、あとがきに爆笑し、そのセンスに脱帽。きっとこれも楽しめるに違いない！と思いました。原作に自分の色・風味をつけて表現する、これがプロなんだな～と納得した次第。この作者さんのセンスが好きです。あとがきを読むのって、楽しい。