なんででしょうか。好きな漫画家さんなのにときめかない。

悪くはなかったんです。でもなんだろう。読んでいる間中なんだか居心地が悪くてもやもや。ヒロインとヒーローのそれぞれの葛藤も伝わるし、絵はきれいなのに、読後すっきりしない。他の方のレビューを読んで分かりました。不自然というか、大げさというか。そういうことだったんだ！と。レビューを書いてくださった方、ありがとう。どうにも落ち着かない理由が分かりました。

ミシェル・リードのお話は好きだけど登場人物の感情の起伏が激しすぎて読んだら疲れてしまう。ヒーロー、ヒロイン共にとても一途なのにお互いに傷つけあう構図がたまらないせいだと思うのですが。この原作は未読なのですが荻丸さんにやられた、という感じです。どこに反応したかも分からないのに気づけば涙が。優しい義母のつらい思い、家族を引っ掻き回す悪女役の女性にも同情する余地があった。この漫画家さんは絵柄が好きじゃないのについつい引き込まれる力があると思います。すごい。

ヒロインのこれまでの人生を思うと辛い。救いもなく慰めもない状態でこつこつと働いていて、こういう人こそ幸せになって欲しいのに口ばかりうまい、思いやりのない男性に騙されてしまうなんて納得できない。頭のいい女性なのになぜ？と若干イライラ。このお話のヒーローは紳士で思いやりがあるので好き。ヒロインが婚約者からもらった安物の指輪を失くしたとき一緒に探してくれるシーンがあるのですが、ヒロインに最初から惹かれていて、婚約者がうさんくさいヤツだと知っていてもヒロインの気持ちを思いやってくれる優しさにぐっときます。苦労してきたヒロインを包み込んで幸せにしてくれそうなヒーローにはなまるをつけてあげたい。

人並み外れた運動神経を誇っていた男性が体が不自由になったらどれほどプライドが傷つくだろう。それまで就いていた仕事には戻れず、行動さえ制限される車いす生活を余儀なくされ・・・。恋人をエスコートできない、という人から見たら些細なことも自己評価を下げる要因になってしまう。徐々に身体的にも精神的にも立ち直って、人からの評価ではなく、自分が誇れる生き方をしたいと思う気持ちはとても理解できた。でもそこにたどり着くまでの葛藤をずっと見守っていたヒロインは同じくらい辛かったんじゃないないかな～。途中登場した車いすの男性は力強く、堂々としていて今の自分に満足しているように見えてかっこよかった。＾＾

自分勝手な母が亡くなった後で知る”事実”。母に言いくるめられてヒーローに対してひどい対応をしていたことを知り、謝罪したいと実際に行動するヒロインは偉いと思う。全部母のせいにして自分は知らなかったんだから、と言いぬけることもできたのに真正面からぶつかりに行く勇気に拍手。またお相手のヒーローが実にいいんです。誠実で働き者で、形ばかりの結婚をして一度も一緒に生活をしていないにも関わらずヒロインをずっと思い続けていて。お互いに歩み寄るのって言うほど簡単じゃないけれど、誠実さって大事だなと思いました。

ハーレにしては珍しくヒロインがヒーローより年上。家族から指摘されるほど自立心が強く頑張りすぎるキャリアウーマンでかなりな頑固ものでもあります。たぶん、このヒーローじゃなければ彼女を口説き落とすなんて不可能だったんじゃないかと。（並みの男では近づけないのでは？）ラテン生まれで優雅で忍耐強い彼はヒロインの中の柔らかい部分、母性本能とか情熱的な気持ちとかをゆっくり揺り起していくのです。きゃー。姪とヒロインがリビングでうたた寝をしているのを見たときのヒーローの感情にやられてしまった。いや～、いい男です。

直前に原作の小説を読んで楽しんだので期待して読んだのですが…、随分イメージが違います。上っ面だけを描いたような感じ？エピソードを細切れにしてしまって原作のお話のよさが伝わらなかったのが残念です。

表紙があまりきれいと思えなかったのですが、実際読んでみると中身の絵は丁寧できれいでした。女性の唇がとても柔らかそうでうっとり。淡々としてましたが、じんわりと心に沁みました。余白っていうのでしょうか、セリフ以外の口にされなかった気持ちが伝わるようで、胸を締め付ける。美しい庭を慈しむヒロインに最初から惹かれていたのに無駄な抵抗をするヒーロー（笑）、世捨て人のようなヒロインの心をゆっくり揺さぶる恋心。さらりとしているようで情緒たっぷりなお話だと思いました。わたしは好きです。

ハーレのコミックを読むようになって思ったのですが、苦手な絵柄だと思っていても作品が素晴らしいと段々気にならなくなり、その漫画家さんがいつも上質な作品を送り出していらっしゃるといつのまにかファンになってしまうのですね～。さらに、読み込んでいるうちに最後には個性のある絵までも好きになってしまうという不思議！この漫画家さんもそのひとりです。この作品には久しぶりに♡５をつけました。ただのラブストーリーじゃなく、あくまでも凛とした生き様のヒロインの心情、ロマンチックな道具立て、冷酷な策略を巡らせているはずのヒーローの心の揺れ。思わず涙が。他の方のレビューもとても素敵で、参考になりました。素晴らしい作品です。

小説の方は自分の中でずーっと「問題作」で、入手してからもなかなか読めなかったし、実際読んで嫌な気分になってしまった。ヒーロー最低です！女性をベッドに誘い入れてから事後、蔑む品性が許せない。この漫画家さんは好きな方なので読もうかスルーすべきかかなり迷い、思い切って読みました。結果として、コミックとしてうまくまとまっていると思います。いつものように絵はきれいだし、お話そのものは読みやすかったです。ヒロインがなぜこんなやつを許せるのか、については別ですが。

何度読み返したか分からないほど原作が大好きなのでコミック化を希望していたのですが、好みじゃない漫画家さんだったら困るし、そのほうがいいかもと残念な気持ちを抑えていました。今回コミックを発見してドキッとし、好みの絵の漫画家さんでまずは安心。アリスの魅力がうまく表現されていてうれしい。ハーリーも素敵。そして原作で未解決になっていた事件がコミックでは一応解決されていたのも〇。（もっと後日談がありそうですが、これは仕方がないですね。長ーいシリーズですから）小説にはないよさがあって、満足です。

ヒロインがとても前向きで健全な考え方をするお嬢さんだった。かといって押しつけがましい感じはなく、ちゃんと考えたうえで行動していました。努力して今の自分を作り上げた、ってことでしょうか。それを思うと、ヒーローはなんか抑制された生き方をしている感じ。同じように幼いころに自分を否定された経験を持つヒロインと出会えてよかったんでしょうね。

読み終えて、「あれ？」となんだか違和感。わたしの理解力がたりないせいかとしばし悩みましたが、他の方もレビューで同じように思ってらしたみたい。なんだか、もやもやします。

自分の力で築いた地位、富、名声。それを勝ち得ても心の奥に拭いきれない劣等感があるヒーロー。一方、美貌を武器に玉の輿を狙っていたのに、ヒーローから与えられる愛情や包容力に深く心を許すことになってしまう。ヒーローの友人は「彼女はヒーローのためにならない」とは言っていたけれど、ヒロインがお金目当てのほうが都合がよかったんだと思う。愛なんかなくても近寄ってくる自分が知っている多くの女性みたいに。全てを持っているようで、一番大事なものを得られない、というのは寂しすぎる。

何度も読み返し、なぜそんなにこのお話が好きなんだろうと頭をひねった。ヒーローは自信に満ちているようで実は兄に対して複雑な思いを抱えている。兄が亡くなったことでさらに家族や稼業など大きな責任を負い、そんな中でデリケートな年齢の甥姪を育てるのは実に大変だと思う。でも姪っ子が反抗したくなるのは仕方がないかなー。反抗期だし、ヒーロー傲慢だし。でもヒーローの不器用さが可愛く思える。毎日忙しくしているヒロインを休ませたいのに、それを素直に表現できなくってけんか腰になってしまったり。「兄の愛人」という誤解が解けてからも、ヒロインは兄を愛していたと思い込む頑固さも笑える。だって、それでもヒロインにメロメロなんですもん。

ヒーローは「こうなりたい」自分を目指して頑張って来たけれど、本当はそのままの自分を受け入れて包み込んでくれる人が必要だったんじゃないかな。よく頑張った、でも、しんどいこともあるよね？ここでは肩の力を抜いていいんだよ、って言ってくれる存在を求めていた。自然体のヒロインにペースを乱され、心をかき乱され、懸命にその存在を求める姿が微笑ましい。可愛いヒーローでした。

ヒロインが頑ななので、ちょっとうんざり。生い立ちや、背負っているものが重くのしかかっていたとは思うけれど。祖父のやり方はひどいと思うし。対してヒーローはいいところと悪いところをトータルして「よく頑張りました」と言ってあげてもいい。結婚しても愛人がいる、というのはいけないけれど、そうなった経緯を考えると仕方がないのかな？ふたりに実質結婚生活はないのだけれど、そんな関係のときにいつかヒロインと落ち着いて一緒に生活を・・・と夢想するヒーローは可愛げがある。まわりに悪意のある人がいるとこんなふうになってしまうのか、と思うと暗い気持ちになってしまった。

同じことを言っていても、経験がない場合と、ある場合で受け止め方って違うと思う。ヒロインは未経験なバージンなので、知識はあってもそれがどういうことか分かっていない。明らかに未経験なヒロインに迫られて、焦りまくるヒーロー。汚してはいけない神聖な対象に欲情してしまう自分も情けないと思っているのねー。当人同士はものすごく真面目で、だからこそ笑える。これって、ハーレなのよね？と突っ込みながら楽しませていただきました。最高♪

惹かれあい、恋人になって、意外に大変なのはそのあとなんじゃないかと思った。お互いの生い立ち、生活の違い。ヒーローの経済水準とヒロインのそれはかなり差があって、いざ結婚、となった場合、自分の家族に肩身の狭い思いをさせるのでは、と悩むのは当然だと思う。ヒロインは家族を大切に思えば思うほど、自分たちはお似合いではないんではと考えてしまうのね。いち庶民としてはそのことがよく分かる。対等な立場が望めない結婚なんて初めから駄目だし。そこのところをヒロインの立場に立ってちゃんと考えたうえで行動できるヒーローは誠実で、思いやりのある素敵な男性でした。よくある傲慢なヒーローには見習ってほしい。

タイトルからして、いったいどれほど非道なヒーローなんだろうと想像していたのに、あれ？と拍子抜けしました。だって、ヒーロー意外にいいヤツですよ？面接で妻を求めるのは非常識だけど、ちゃんと自分なりに判断しているし、割とまっとうな感覚を持ち合わせている人だと思う。もちろんヒロインは無垢で人がいい。性格の悪い妹に言いくるめられてそこまでしてしまう？ってびっくりしてしまうけれど。そういうヒロインからひととなりを褒められたヒーローはきっと、すごく嬉しかったのでは。リン・グレで、このタイトルで、「あれ？」と裏切られながらわくわく。何度か読み返し、かなり気に入りました。＾＾結論。非情なのは、ヒロイン妹。

どうもヒーローは複数のお話で当て馬にされていたらしいですね。可哀想な気はしますが、それって彼が一定レベル以上の男だと認定されているってことですよね？だって、当て馬って恋の本命に焼きもちを焼かせることが目的なんだから。そして、育ちがいい彼は強引なこともせず、当て馬なんて屈辱的な役割をきっちり引き受けて腐らない。お人よしにもほどがあるー！そして、今作のヒロインは会って間もないのにストレートに結婚しましょう！なんて言い出すユニークな女性。専門職で自立した彼女の頭の良さ、他人の痛みに敏感な優しさに惹かれました。ふたりのやり取りがとても楽しく、何度も読み返しました。大好きな作品です。欲を言えば、事件の真相が持ち越されたのが残念かな。

タイトルを見るだけでうるうるしてしまうので、なかなか読み返せない本でもある。世間からみれば恵まれているはずのヒロインと幼い妹がどうしてこんなに苦労しているんだろう。なのに、ふたりとも健気で純粋。なにもない土地でも足りないものを嘆くでもなく、あるものに感謝するのって実はすごいことなんだと思う。つらい悲しい過去によって心を閉ざし、ただただ働き富を得たヒーローの孤独も胸に痛い。化石が印象的な使われ方をしているのですが、だめだ、こう書いている間にも涙が出てしまう。絶対手放せない本。

三浦浩子さんのコミックがとてもよかったので、小説も入手して読みました。最後までほとんど違和感なく読めたので、すごくよかった。ヒーローの家族からのヒロインに対する評価と、実際の彼女のイメージがそぐわなかったのでなにかあるんだなとは思ったのですが、真相を知り、ああ、そうだったんだ・・・と納得しました。ヒーロー弟が疎んでいた家族は実際には愛情深い人々。幼いニッキーを大切に育てていて、恵まれた環境も与えることができる。子供を巡って対立していたヒーローの家族とヒロインが、お互いを誤解していたことを知り、歩み寄る過程はよかったです。ヒーローは自分で自分のことを「非情」と言いますが、冷静で紳士で、素敵な男性でした。

お話に満足できても絵が残念だとハート４になってしまうし、恋愛だけだと深みが足りない気がして、やっぱりハートがマイナス評価になってしまう。でもこのお話は満足！ヒロインの変身、ヒーローの葛藤、復讐ものなのにどこかほっこりさせてくれる。ヒロインもヒーローも素敵でした。彼は前向きで素直なヒロインと再会したことで凝り固まっていた心が動いたのね。無心に信じられる相手なんてそうはいないもの。買って後悔しない素敵なお話でした。

レビューを書いてくださった方、ありがとう。小説の作者より漫画の作者を選んで読むほうなので、レビューを書いてくださった方がおすすめしてくださると安心して購入できます。荻丸先生の絵が少しづつ好みになってきました。話の進め方も好きです。そして、最後には泣かされています。漫画家さんの力量というのか、この人の作品なら、大丈夫！という安心感がいいですね～。ヒーローのメロメロっぷりがいい！ヒロインの母、その恋人も可愛く描写されていて微笑ましい。

ハーレクインというより少女漫画って感じでしたが、実にかわいらしい！あくの強い母以外はみな善人で、ほのぼの。ヒーローは誠実だし、ヒロインをなんとか囲み込んでしまおうと父に根回ししたり、的外れな嫉妬もかわいらしく思えました。読んでよかったです。

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わたし、どうしてか気に入りました、このヒーロー。見た目に反して結構かっこ悪いし、告白もダサい・・・。が、そこが可愛いと思ってしまって。まだハーレクイン歴浅いんですが、自分の意外な好みを知ってしまった。強い男の弱さとか、かっこつけの男のダサさとか、…ヘタレが好きだったのか、わたしって。そして、ヒロインは自分の前でだけそういう弱点をみせてくれるところが好きなんだろうな。と思った次第。やあ、面白かった。

正直に言います。ハーレクインでここまで泣かされるとは思ってもみなかった・・・。ぼろぼろに泣きました。 心が洗われるようなお話でした。 しかも、パックに入っていなかったら、読もうと思わなかったし。素敵な誤算です。書いてくださった原作者さん、漫画家さん、ありがとう～。