逆境力
貧乏で劣等感の塊だった僕が、あきらめずに前に進めた理由
生まれた環境で人生は決まらない!
米ハーバード大学を卒業し、知性と明るい性格を持ち味に日本で大活躍の「パックン」こと、パトリック・ハーランさん。現在は東京工業大学の非常勤講師まで務めておられます。順風満帆に思えるパックンですが、実は子どもの頃は経済的に困窮し、コンプレックスを抱えていたそう。
本人曰く「ド貧乏」。ド貧乏な子ども時代から、ハーバード大学を卒業され、日本のお笑い芸人から大学講師になられるまでのパックンの「格差逆転の生き方術」をまとめたのが本書。
「生まれた環境ですべてが決まってしまうような人生で、本当にいいの?」
パックンの答えは「NO!」
勉強でもお金のやり繰りでも仕事でも心の持ち方でも、貧乏には貧乏なりの戦略がある。
何より、貧乏には「貧乏力」という人一倍がんばれる力がある。
日本の「子どもの貧困」の現状も丹念に取材しながら、パックンがこれまでの人生で培い、編み出してきた知恵と努力の結晶「格差逆転の生き方術」を初公開します。
はじめに──逆境に置かれても希望はある
第1章 僕は「貧乏育ち」だった
「フードスタンプ」の苦い思い出
両親の離婚で始まった貧乏生活
母ひとり子ひとり、ますます厳しい生活に
貧乏が心の余裕を奪う
第2章 このままじゃダメだ! 日本の「相対的貧困」
知っていますか? 「日本の子どもは7人に1人が貧困」
「塾代がない」のではない、「昼食代」がない
なぜ「家で勉強」が難しいのか?
「よその子」に手を差し伸べにくい日本
子どもが安心できる「居場所」をつくることの大切さ
「一億総中流」の思い込みから生まれる悪平等
「どうなりたい?」と聞いてもらえない子どもたち
自転車、家族旅行、大学は「贅沢」なの?
「苦学生」は、学生生活を楽しめなくても仕方ない?
「おじいちゃん政治家」には見えない現実がある
日本のセイフティネットは、本当に手厚いのか
第3章 「貧乏だから」では済ませない──僕の生き方戦略
貧乏だったから勉強も部活もがんばれた
母直伝のセールストークでサマーキャンプ参加費をゲット!
「パトリック・ハーラン」の基礎となった新聞配達のアルバイト
ないなら、ないで「何とかしよう!」「何とかなる!」の思い
センスはないけど自信はあった
第4章 誰も一人では成功できない──ちょっとの気配りが大きな助けに
たくさんの人に助けられて、ここまで来た
落ち着きのない僕を理解してくれた先生たち
「保健室の牛乳とクッキー」に救われた!
「多くを恵まれた人は、多くを求められる」
アメリカと日本「第2の家族」たち
貧困は悪いことでも隠すことでもない
きっかけさえあれば、どんどん伸びる子どもたち
「社会の広さ」「自分の可能性」を知らせることが一番
自分の足で歩み出した子どもたち
奨学金という借金地獄をどうする?
奨学金返済支援で、将来設計が立つようになる
第5章 貧乏力──「人一倍がんばれる力」という財産
貧乏コンプレックスから生まれた精神力
「あのころに比べれば……」と思えば、何でも幸せ、何でもがんばれる
「がんばってる俺」が、かっこいい!
遠慮するくらいなら、素直に図々しくなれ
エピローグ 今度は僕が恩返しする番
今の僕に何ができるか
自分と家族を守ってこそ、世の中のために働ける
おわりに──この世から貧乏をなくしたい
など
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(C) Patrick Harlan,Fuji Television 2021
出版日:2021/02/05