定年をどう生きるか
人生を見つめなおすためのヒント
アドラー心理学が教える
よりよく生きるための幸福論
会社員ならいつかは経験する定年。お金や健康といった不安は、もちろんあるが、その問題の本質は対人関係の変化にある。慣れ親しんだ職場を離れ、自分と仕事や家族、社会との関係を再定義し、いかに貢献感を持ち、新たな人生を充実させるか。アドラーをはじめ、プラトン、マルクス・アウレリウス、三木清……哲学者が教える幸福で「ある」ために必要なこととは。
平均寿命が伸びることで、老いについてのイメージは変わってきている。
だからこそ定年をどう迎えるか、定年後をどう生きるかが、多くの人にとっての関心事となっている。
「定年後に何か仕事以外の生きがいをみつけなくてはいけない」、そんな焦りを感じている方も多いと聞くが、
そういった焦りは、「人の価値を「生産性」におくことをやめられない」というところからきているのである。
本書はそれを克服し、定年に対する恐れを乗り越え、慣れ親しんだ職場から離れても、自分に価値があると思える。
そんな勇気を読者に与える一冊である。
はじめに
第1章 なぜ「定年」が不安なのか
お金や健康だけが不安なのではない
定年した途端に病気になる人
衰えることについて
第2章 定年に準備は必要か
定年のための準備とは
会社員にとっての定年とは
仕事以外に生きがいを見出せない人
副業か複業か
新たな生きがいを見つける必要があるか
「縦の関係」から「横の関係」へと意識を変える
人からの評価を恐れない
第3章 あらためて働くことの意味を問う
会社とは何か
代わりの人はいる
自分にしかできないことはないか考える
新しいことを始めるチャンス
仕事を成立させる対人関係
競争から協力へ
人はなぜ働くのか
人の価値は生産性にない
第4章 家族、社会との関係をどう考えるか
すべての喜びは対人関係の喜び
社会とつながるとはどういうことか
なぜ関係性が変化するのか
第5章 幸福で「ある」ために
キーネーシス的ではなく、エネルゲイア的な生き方
成功ではなく幸福を
生きていることに価値がある
第6章 これからどう生きるのか
少しずつ対人関係を変えよう
地に足がついた生活をしよう
定年後の読書
など
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(C) Ichiro Kishimi 2019
出版日:2019/06/05