ヒロインのとっかえひっかえの服装がとても気になりました。家でラフに妊婦がくつろいでいるような服じゃないって場面が多かったし。最初のデートの服装、まるでティーンエージャーが背伸びしたドレスアップのようで、働く女性というヒロインがまったく魅力的に見えません。また、近くにいたから好きになったという感じで、もうひとつきっかけがよくわからない。なんといっても弟の子供を妊娠してる女性を好きになるには、もう少し大きなモティヴェーションが必要なんじゃないでしょうかねぇ。

思春期の女の子の様子はよく描かれていると思いました。ヒロインはとても大人の良い女！だけど、六年間も秘書としてしか見ていなかったのに、娘が現れた途端、女として意識し始めるっていうのも、なんだか納得いきません。何より、どうしようもないヒーロー母と姉の問題はどうなったんでしょうかね。ヒロインは、ヒーローと結婚してもいろいろ苦労しそう。

一見天然でチャーミングなヒロインが、亡き夫の事故死の様子を絵に描き、自分を開け放った場面には、心を打たれました。それ以外はほのぼのと、ヒーローとヒロインの交流が描かれていて、和やかな話です。この著者の絵は、男女ともに清潔感のある絵で、さわやかな読後感ですね。

いくらなんでも結婚までしていて、バージンってのはありえないでしょう～。またいくら冤罪でも、前科のある女性が国王に認められるのも、あまりにありえない。HQとはいえ、ついつい突っ込みながら読んでしまうため、も一つ入り込めませんでした。