原作が酷いし、翻訳も酷い。 原作については、なぜ裏切られた奥さんの写真をベッド脇にいつまでも飾っておくの？結婚式前なのに何やってるの？（しかも２時間しかないのに、眠ってしまう？）結婚式の後、二人は庭の草の上でやっちゃう？そんなに誤解する様なことしてないのに、いきなり使用人は殴られる？おまけにラストがあまりにもかわいそう。 翻訳については、文章がおかしいところが散見されました。 あと、ビューワの問題なのか、字が歯抜けになってました。 買わなきゃよかった・・・。

文月先生の力量は素晴らしいのですが、ストーリー的には「うーん」といった感じです。ヒロインはわがままで、怒りっぽくて、配慮が足りない。私はあなたがいなくても大丈夫といいながら、努力もせず、結局やさしいヒーローのお陰で、玉の輿に乗れましたといった感じで、あまり好感が持てませんでした。

ヒロインは若い頃、「わがままだった」というより、ヒーローの気を引きたくてあの手この手で接触しようとするのですが、それが裏目にでてしまい、玉砕してしまいます。この「黒歴史」に似た経験（ここまで過激ではなくても）は読者の誰にでもあるのではないでしょうか？ この「黒歴史」を持つヒロインが大人になり、環境も変わってしまった中で、ひたむきに頑張る姿は、応援せずにはいられなくなります。 ただ、良いお話なのですが、小説の方のラストシーンが私はあまり好きじゃないので、そこはマンガのようにしてほしかったです。

天涯孤独なヒロインがけなげに生きようとする姿だけでも十分切ないのに、唯一の心のよりどころでまでも失ってしまうなんて・・・。ヒロインの胸中を思うと涙が止まりませんでした。 ヒーローはヒロインのことが好きなんだけど、過去の経緯から素直に気持ちをぶつけられず、ヒロインもヒーローに疎まれていると思い、一歩引きさがった態度をとっていたので、 お互い素直になれたときは本当にうれしかったです。

ヒーロー、ヒロイン以外の登場人物が好きになれませんでした。ケータリングを依頼した女主人、誰かに依存しようとする夢見るヒロイン父、ヒロイン父をたしなめようとしないヒロイン母、一見いい人にみえる友人ニック（同情でヒロインと結婚しようと考える）。話の内容も特色無くて、読んでいる途中からナナメ読みになってしまいました。

そもそも、好きな人に対する当てつけで、他の男性と結婚してしまうところがあまり好きではないのですが・・・。 マンガも原作もそこそこ面白いのですが、少しニュアンスが違います。マンガの方は全体的に少しコミカルで、頼りないけど憎めないヒロインといった感じですが、原作の方はそういった感じはなく、「それはアカンやろっ！」と突っ込みたくなるようなダメ女ヒロインといった感じです。

よくある（仕事一筋のボスと有能な秘書）が登場するお話ですが、少し内容がひねってあるのと、二人の会話のやりとりが楽しいので、引きこまれてしまいます。 ヒロインがヒーローを思うあまり、ちょっとした細工を依頼してしまうのですが、自分の気持ちを隠そうと、平静を装うところが切なく、微笑ましくもあり、「がんばって」とエールを送りたくなります。

お兄さんがものすごく妹を心配していた割に、生還出来て、記憶が戻ったにもかかわらず、すぐに会いに来なかったり、ヒーローが「くじを引くべきじゃなかった」と言いながら、最初に戻ってやり直すわけでもなく、婚約者に手を出すなと言って、決闘したり・・・。 展開が早すぎるせいかな、ツッコミどころ満載と言った感じでした。

「一生残念に思いながら二人で生きていこう」は数あるHQの中で、５本の指に入る名言だと思います。

俺様ヒーロー全開！ よくあるストーリーなんだけど、心理描写が上手くてテンポがいいので引きこまれます。特に二人が結ばれるまでの駆け引きにはドキドキさせられました。

決して人当たりが良いとは言えないヒーローが、ヒロインのために奔走する姿に思わず「ホれてまうやろ～。」と言いたくなる作品。（実際にヒーローに惚れてしまいましたけどね）話が進むにつれて、ヒーローはどんどんいい男になっていきます！ 私が特に好きなのはヒーローがヒロインに字を教えたり、本を読んだりするシーンです。真面目なヒーローの人柄が良く現れていると思います。二人の初めての夜も微笑ましくて、良いですよ。

ヒーローの領主としての苦悩、ヒロインの芯の強さが良く描かれていて、もどかしくも切なくなります。様々な出来事がおこり、それらを乗り越える二人の姿はさることながら、二人を取り巻く登場人物（特にヒロインのお母さん）の働きも素晴らしいと思います。

まず、ヒーローがＨＱにしては珍しく貧乏なところがいいです。そしてヒロインが徐々に変わっていくところも素敵です。ヒーローは顔良し、スタイル良し、頭良し、人柄良し、体力もあって強い・・・「こんなに揃ってるなら、まともに働けばすぐに金持ちになるだろっ！」と突っ込みたくなります（笑）