タイトルから、ヒロインを翻弄するプレイボーイヒーローだと思っていたら、今はすっかり改心して、過去の自分の行いをやたら懺悔しまくっていたので可愛かったです。いつもながら子供がらみのエピソードがお上手で、うるうるさせられました。ヒーロー父は暴君ですが、絵柄の魅力とあとがきのおかげでお気に入りキャラになってしまいました(笑)。

記憶喪失＆双子ヒロインというよくある設定で、予想通りのオチでしたが、H＆Hそれぞれのとまどいや心の動きがていねいに描かれているので、とてもおもしろく読めました。ラストの、絵で気持ちを証明という展開も、コミカライズだとより説得力がありますね。

ヒロインが本当に素敵なキャラで、読みながらほっこりする場面がいくつも。でも、そんな彼女も自分の容姿コンプレックスにとらわれていたのですが、ラストでやせて綺麗になってコンプレックスから解放…という展開ではなかったところが、とっても良かったです。

荻丸先生の作品は、本当にいつも読み応えがあります。H＆Hが理屈抜きで恋に落ちるのではなく、お互いを一人の人間としてちゃんと見たうえで愛しあうので、とても説得力があるんですよねー。 小道具の使い方がいつもお上手ですが、今回は絵本のエピソードに泣かされました。

素敵なお話でした。自分にシットするヒーローがとっても可愛い(笑)。中絶を迫る時の言葉は確かにひどかったけど、どうして彼がそんなことを言ってしまったのか、後になってわかるシーンの演出はすばらしかったです。気になるのはヒーロー弟。かなりヒドイやつなんだけど、彼も真実の愛を知って改心するというスピンオフがあったらいいなー。

母親や兄貴には腹が立ちましたけど、ラストで母親は悪人というよりむしろ悲しい人だと思えましたし、もやもやさせられていた分、ハッピーエンドにはうるっときました。それはともかく、ヒューくんが可哀想すぎます(笑)。実は一番の被害者？