柔らかそうなブロンドにヒロインのたおやかさ、色の濃いキリっと上がった眉には逆に意志の強さを感じます。飛行機恐怖症でありながら何度も飛行機に乗り、本当はシェフになりたいのに両親の言うがまま法務関係の仕事をこなし、さらに酷い捨てられ方をした男のために身体を張れるのは単に流されやすいのではなく自分ならどんなことでも出来ると言う矜持があるのでは。橋本先生お得意のワイルド＆セクシーでいてちょっと抜けてるｗ黒髪巻き毛！ヒーローとのバランスもぴったりでした。注文をつけるならこれだけジェットコースター展開で要素特盛りの原作なら、ただ使い捨てられるだけに出てきたＸＸはバッサリカットした方がいっそスッキリしたんじゃないか～と思ったりもｗ

強制結婚に至るいきさつを除けば、ヒーローは（ペニージョーダンなのに！）酷薄でも鬼畜でもなくヒロインもコンプレックスを抱えていながら自分の役割、能力をしっかり捉えていて素晴らしい女性でした。風物も衣装もヨーロッパの小国に相応しく重厚でゴージャス。最初の方でヒーローがアオリ気味にふんぞり返ってるコマは、理性的で真面目な男がわざと偉ぶっているみたいでカワイーと思っちゃいました。

自分では子供が出来ないからと黙って涙ながらに身を引こうとするヒロイン自体はアリでも、それが現代の、＊有能な＊産婦人科医でありカウンセラーなのはアリエナイと思います。もし自分が不妊症に悩んでいたとして、こんな考えのプライドの無い『専門家』には絶対お世話になりたくない！・・・作画の方は所々に高校生カップルか？みたいな幼さはあっても丁寧に描かれていて話の進め方も悪くないと思うので、いっそコミカライズの時にラストの『奇跡』もなかったことにして欲しかった。

ヒーローが何の落ち度もないヒロイン（敢えて言えば職業と生い立ちのわりにピュアすぎるぐらい？）をここまで酷く傷つけてしまうのは読者として許せません。ヒロインに魅かれながらも（真相が分かるまで）自分のしていることに罪悪感を感じていないのも腹立たしい。こんな話でも描かれ方によっては「きゃー鬼畜ーｗｗｗ」と楽しく読めたかもしれませんがみん先生の繊細で可憐な絵柄が仇になった感じです。

作者の初作品に比べても人物造形が幼いわりに表情などエロ目に描かれているので、本来はこういう絵柄の方なのだと思って割り切りましたが、それより有能なインテリアデザイナー＆シチリアの名家の御曹司にしては背景などがどうにもお粗末。特に冒頭のヒロインの家、ニ◎リで売ってるような家具や壁にL字金具と板をつけただけの棚でイタリア人ヒーローが「素晴らしい家だ…」と言っててもしらじらしいお世辞にしか思えませんでした。

背景や小物など丁寧に書きこんでいるとは思うのですが、肝心の人物の顔のパーツが頻繁に歪んでいて、正直なところお話が一向に入ってこず、読み進める気力を無くしてしまいました。キャラの表情のつけかた等もコマごとに変わっていたりで、失礼ながら漫画じたいを描きなれていないか、もしくはハレコミに相応しい絵柄にしようと無理をしているのではないでしょうか。

ヒロインの義理の兄以外は素晴らしく善人ぞろいでちょっと出来過ぎ…と思いつつも気持のいい話。アウトバックでの厳しい生活の様子が活き活きと描かれていて興味深いです。ＨＱコミカライズの醍醐味のひとつは外国の文化・風物が日本の質の高い漫画で読めることだと思います。あとカーリー（妹）が可愛い～～

えっ折原みと先生がハーレクインを？と読んでみましたが、可愛らしく丁寧に描いてはおられるのですが、どうしても少女漫画の等身大な男の子と女の子にしか見えませんね…。 折角の王室でヨーロッパ物、やはり見た目からも夢を見せて欲しいです。

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ヒーローはハーレ上稀に見る『いいとこなし』（ヴィジュアルは満点）なキャラですが、下手に威張ってないので愛すべき人物であります。逆に男前で格好いいのがまずヒロイン、次にザヤド＆サキールのアラビアン兄弟！ 黒川あずささんには是非また、素敵なアラブ物を漫画化して欲しいです。

全体に絵が拙すぎ（特に人物がみな平べったく、看板に描いたように見える）せっかくのストーリーがなかなか頭に入って行きません。作画の丁寧さはある程度感じるのですが……

前半、ヒーローというかヒロインの夫がもう酷い奴すぎて、いったいどうやったらこれハーレ的ハッピーエンドになるの？？と思ってたのですがなんと、こう来ましたか… ストーリーの展開といい、多分文章だけで読んでいたらなんじゃこりゃ！！と床に叩きつけていたのではないかと思うのですが、橋本さんの描くマックス（冷酷夫）がものすごく迫力のある美形で、ヒロインははかなげで可憐で美しく、二人の子供もめちゃくちゃ可愛くて、凄く面白く読んでしまいました。 鬼畜ヒーローは数あれど『根っからの悪人』は案外珍しいように思います。そのユニークさとキャラクターの造形、描写の素晴らしさで無理やり満点！

ハーレのヒーローがメジャーリーガー！野球好きとして珍しくも嬉しい設定でした。奥さんは大変だろうけどアメリカの男の子なら『うちのパパはメジャーリーグのホームランバッター』だなんてメチャクチャ嬉しいだろうなあ。

子供たちの可愛さ、真面目なヒーロー＆しっかりしたヒロインの魅力に加えてクレタ島の風物（タコとか…）の描写がイイです。出てくる食べ物がとても美味しそうで旅心をくすぐられます。

津谷さんの描く女性はみな妖精のようにとても可愛いく、明るくしっかりしていて素敵です。 ヒストリカルお馴染の『厳格な大おくさま』もどこか愛嬌があって魅力的。おかげでちょっとヒーローの影が薄くなったような？（笑）

ヒロインの造形が子供っぽすぎ、また顔のりんかくがあちこち歪んでいるのが個人的に苦手です。ヒーローもあまり男性的でなくて格好よくないし… そのせいか『慈善団体に寄付したいから（一旦断った）遺産を寄越せ』というヒロインの行動に全然共感出来ませんでした。今までに作画によってはどんな無茶な展開でも納得できる話は沢山あったのに、残念です。

拙いというより手癖だけで描いているような、存在感のない絵と画面の白さでとても先を読む気になりませんでした。ストーリー自体は面白いのか『ゴージャスな罠』がどういうものなのか…機会があったら小説を読んでみたいと思います。

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