ヒロインだけでなくヒーローの心情も最初からきっちり描かれていて、無理のない展開でした。この手の傲慢ヒーローの誤解モノって、最後にとって付けたようにヒーローの心理を説明口調で書いてあるものもあったりしますが、読後感が雲泥の差です。初めて結ばれた後のヒーローが急にデレデレになるのも納得出来ましたし。部下や家政婦にも愛されているようですし、なんだかかわいいヒーローですね。パパも素敵です。あと婚約者もひどいこと言ってますが「私の幸せを奪って許せない！」みたいなモノローグがあるので気持ちが理解出来ました。漫画家さんの構成力が光る作品で大満足！ あ、かのとみ様の書かれていたセリフ、私も心を撃ち抜かれました！

花津先生の作品は安心して購入出来ますね。読めば読むほどそう思います。 今作品は最後急ぎ足になった感がありますが、それでも強引すぎないのは、ヒロインと姉の会話があったから。直接「ヒーローとくっつけ」と言ったわけじゃないけど、ヒロインの呪縛を解き放った。これは花津先生の他の作品にもよくあることで、当事者以外の人間の印象的なセリフが物語をグッと盛り上げ後押ししていると思います。脇役がただのモブではないって物語の厚みが増しますね。読み応えがあるのはそういうところのお蔭かなーと今回思いました。 また、ヒーローの林檎エピソードも素敵。案外人間の決意って、相手そのものじゃなくこういう“物”で決まったりするのかも。 夫は弱い人間だったのか、もしくはその時スランプ気味だったとか？本業でもうまくいっていない時期だったんじゃないかとか邪推(笑)。あと、ヒーローの遠慮にイラっときてたのかもしれない？