くぼた先生の作品には独特な雰囲気があります。なんともいえない空気感があって、派手ではないがしっとりとした柔らかさがあるのでいつの間にか作品に引き込まれています。二作収録されていますが、「幸せの青い蝶」がとても良いです。ほのぼのとしていていつの間にか現実の不安を取り除いてくれて、気付いたらぽかぽかな暖かさに包まれているというまるで遠赤外線暖房もしくは床暖房のようです(たとえがわかりづらくてすいません)。　マライアのスーパーレディぶりに脱帽です！「氷の令嬢」は♥3ですが、「幸せの青い蝶」がとても素晴らしいのでそちらの評価で♥5にしました。

　デジタル版を読んであまりの素晴らしさにコミック(紙)も原作も購入してしまいました。原作を読んでコミック化にあたっての完成度の高さにびっくりしました。　たいていのハーレ作品がページ数の関係で結構大事なエピソードを削ったり、作者によってはもの凄く改変していたりしますが、この作品は原作のいいところほぼすべて描かれていて本当に原作に忠実に描かれています。 　それでいてコミックならではのかわいらしさ満載です。特にカーリーのかわいらしさは必見です。ヒロインジェナの一途で真面目で自立しているけれどたおやかさもあるところなどは、あんな最低の両親に育てられながらもよくぞここまでいい子に育ったと感心してしまいました。過去のトラウマから素直に愛を受け入れることのできないヒーローの不器用さ頑なさもジェナとカーリーの愛の前には…。　人を愛することの大切さを本当にシンプルに教えてくれる素晴らしい作品です。何度読んでも泣ける私のハーレ史上ナンバーワン作品です。一読をぜひお奨めいたします。

　苦労しているけれど愛情いっぱいに育ったヒロインとクリスマスを拒否するヒーロー。ヒーローの辛い思い出を愛で変えてしまうヒロインの優しさに脱帽。ラストシーンが特にいいですね。厳しい冬の季節に読むと暖かさがより一層伝わってくる作品です。

　表紙で納得してねということでしょうか？　みなさんおっしゃるようにラスト数ページ足りない点が惜しいです。全部読み終えた後で、表紙を眺めるとああそういうことなのかと単純に納得してしまった私は単純(笑)。　いつもながら脇役のおばあちゃん本当にいい味出しています。ヒロイン可憐で清楚で芯がしっかりしていていいな。ヒーロー怒った時の顔が怖すぎる…。ヒーローにはもう少し大人になってほしいところですが、さんばばの教示でこれからというところでしょうか。

　展開もよく軽いコメディタッチで、あっという間に終了。ヒーローが冷静で大人な分、もう少し葛藤がほしかったです。ヒーロー猜疑心が強い人でなくてヒロインは救われましたね。ヒロインはもっと早い段階でいとこと対峙すべきだった。ヒロインいくらいいなりに身代わりを引き受けていたからって、犯罪(身代わり受験)はダメでしょう。その点原作はどうなっているのでしょう？　そのことがひっかかり受け入れがたいので、♥ひとつマイナスです。

　「衝撃の出会い」というタイトルそのままに出会う２人。展開も結構衝撃的です。芯がしっかりしていて純粋なヒロインと正面から物事に立ち向かっていくヒーローのきちんとした恋愛です。医学で助けられないケースはままあるので、それを医療ミスととるかはケースバイケースで微妙なライン。患者が助からなかった場合、恨まれた医者は大変…。そういう社会的な問題も加味されていてうまくまとめてあります。あとがきにあるスポーツマンタイプヒーローぜひ描いてほしいです。

　ヒーローが金髪なんですね。最初いつもと違う感じがしたのは、荻丸先生の描くヒーローはほとんど黒髪なのに対して今作は金髪だからなんですね。なによりも今作のヒーローはまれにみるいい人ですね。ハーレにありがちな傲慢男ではなくて、エリートで誠実で爽やかで情熱的で落ち着いた人です。ヒロインも苦労を乗り越えて努力家で情熱的でとてもお似合いです。育った世界の違いを乗り越えていく二人に読んでいてとても良い気分にさせられました。荻丸先生の金髪ヒーロー素敵でした。相変わらずまとめ方がお見事です。

　絵は丁寧に書いてありますが、表紙絵のヒロインと作中ヒロインの顔が違いすぎる。特にアップにしていると私には別人にしか見えません。表紙のヒロインは10代にしか見えなくてここだけ見るならタイトルは「秘密だらけの美少女」の方がいいのでは…と。

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