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ハーレクインcolumn vol.9

愛なき結婚

 結婚はロマンスのエンディングを飾るグランド・フィナーレのはず。なのに、「ハーレクインコミックス」における“契約結婚”は、義務だったりお金のためだったり、あるいは家族を守るためだったりと、ヒロインに自己犠牲を強いる不幸の結晶のようなものなのです。
でも、もちろんそこで終わらないのが「ハーレクイン」のストーリー。必ず最後には真実の愛が待っています。始まりがつらければつらいほど、最後に得られる幸福感は計り知れません!

冷酷な大富豪の虚無的な表情の陰に潜んでいたのは…?

プレイボーイの契約花嫁」 (キャロル・マリネッリ/鳴神ゆった) のエステルは大学生。愛する家族を救うためにお金が必要でした。しぶしぶ政治家の愛人役としてパーティに出席するという大胆なアルバイトを引き受けます。そのため大富豪ラウールから、お金で自由になる女と誤解され、契約結婚を申し出られます。エステルがとまどっていると、彼は冷たく言い放ちます。「愛などいらない。愛など汚らわしい」冷酷な言葉の陰にのぞく憂いの表情が気になって、エステルは操られるように彼の申し出を受け入れてしまうのですが…。

強がっている男性が見せる一瞬の隙、そこにヒロインを惹きつける魔が棲んでいるものなのです。エステルは彼の歪んだ愛情をどう正していくのでしょうか!? 

オリンポスの咎人I マドックス

気ままな愛人関係を突然、終わらせようとするプリンスの企み

 フライト・アテンダントのルーシーは、マルディビノ公国のプリンス、グイドと愛人関係を続けていました。1年ほどたった頃、ルーシーはグイドの甥の洗礼式に招待されます。自分の立場をわきまえ、グイドに負担をかけたくない一心から日陰の愛人に徹していたルーシーは、おおやけの場に招待されたことにとても驚きます。グイドはもしかしたら私を愛しているのかしら?――ルーシーは希望を抱きますが、彼の企みを知ったとき、その希望は無残にも打ち砕かれるのです。

愛なきウエディング」 (シャロン・ケンドリック/碧ゆかこ) のルーシーはプリンスの負担にならないようにと、クールな態度を崩しません。そのけなげさこそが男性には魅力的に映るのでしょうね。ぜひ見習いましょうね!

地上より永遠へ

惹かれながらも憎み合う二人が結婚生活を送るとしたら?

罪深き結婚」 (キャロル・モーティマー/藍まりと) のガブリエラは、母の再婚相手の息子ルーファスにひと目で恋をしました。ところがルーファスはガブリエラを母親同様、金銭目当ての女としてしか見てくれません。彼女の愛情表現をすべてお金のための誘惑と受け取るルーファスに、ガブリエラはひどく傷つけられます。以来、反目しあう二人でしたが、亡くなった両親の遺産相続の話し合いの場で、遺言の思いがけない内容を知らされます。二人が結婚して半年間同居するという条件を満たさなければ、一切を相続できないというのです。

お互いに惹かれながらも憎み合うガブリエラとルーファス。そんな二人が遺産のために同居する羽目に。いったいどんな結婚生活になるのでしょうね?

海のレクイエム

結婚は逃亡のための手段!?

ハネムーンは幸せな結婚生活のスタート。でも「愛なきハネムーン」 (リン・グレアム/瑚白ゆう) のヒロイン、イオーネにはまったく別の事情がありました。ずっと養父に道具のように扱われてきたため、我慢も限界を迎え、彼女は養父から自由になることを決意します。なんの力も手段も持たないイオーネに考えられることは、結婚してハネムーンに行き、そこから逃亡すること。そのためなら、たとえ結婚相手が養父の決めた男性であってもいっこうにかまわなかったのです。ところが、婚約者のアレクシオはとても魅力的で、彼と過ごすうちにイオーネの決意は揺らぎ始めます…。

イオーネの選んだ道は、幸せへと続いているのでしょうか? 名ばかりとはいえ令嬢イオーネがたったひとりで世間に放り出されたときは、どんなに心細かったことでしょう。早く幸せになってほしいと願わずにはいられません!

赤い宝石の秘密

愛のない結婚が引き起こした悲劇

 「幸せという名の契約」 (キャサリン・スペンサー/千家ゆう) のヒロイン、コリンはシングルマザー。彼女は亡き親友リンジーの夫ラファエロから突然プロポーズされます。二人の結婚はリンジーの遺志でもあるというのです。親友の夫だからといって、よく知りもしない人と結婚なんてできるはずもありません。でも、ラファエロと結婚すれば、彼女が抱えている問題はすべて解決されるのです。さんざん悩んだ末に、コリンはプロポーズを受け入れますが、その選択が思いがけない悲劇を招いてしまうのです…。

確かに愛がなければ結婚なんてできません。でも、ラファエロの子供たちに対する優しい態度を見て、コリンの心は動かされるのです。母親としての本能が、ラファエロを信じるに足る男性であると教えてくれたのかもしれませんね。そしてその決意は正しかったのです。

さよならは言わないで

 愛のない男性と結婚するなんて、どんなにつらいことでしょう。でも「ハーレクインコミックス」のヒロインたちは、苦境の中でしっかりと幸せを手にします。なぜかというと、ハーレクインの世界でヒロインたちを待っているのは、常に男らしくハンサムで、飛びぬけて素晴らしい男性たちだから。 それだからこそ、私たちも安心してこのロマンスの世界に心から酔えるのです。

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