嫌われるジャーナリスト
いまの日本はどこかおかしい
国民が知りたいことを
聞かないメディアは必要か!?
コロナ禍で露呈した権力とマスコミの馴れ合い。緊張感のないこの関係が、日本を停滞させる要因となっているのではないだろうか。ジャーナリストとは本来、波風を立てるもの。権力を監視し、対峙することで、国民の知る権利にこたえていくべきである。記者クラブに代表される従来のメディアのあり方がこのままでよいのか。新しい時代のジャーナリストに必要なこととは何か。嫌われることを厭わない二人が徹底討論。
はじめに 望月衣塑子
第1章 「新型コロナ」と「安倍政権」という大難題──“嫌われるジャーナリスト”は日本をこう見る
進行中の大難題──「新型コロナ」「安倍政権」をどう見るか
クルーズ船に入った医師が、危険な実態を告発
日本政府の手ぬるい対応に、国際社会も呆れた
最悪の事態を想定せず、たぶん大丈夫と見て現状を変えない
一向に増えないPCR検査数。いまだ途上国レベルの怪
PCR検査を受けられなくても文句をいわない素直な日本人
安倍首相が、小中高に休校要請という“思いつき”を突如発表
第2章 だから「望月衣塑子」は嫌われる──記者会見や記者クラブの憂うべき現状
ジャーナルの元はラテン語「ディウルナ」。はじめから権力とセット
官邸で何があったんだろう? 素朴な疑問が膨らんでいった
安倍首相に取材したかったが、政治部長が「無理だ」
小泉元首相が得意だった「サウンドバイト」。安倍首相は大の苦手
「遊軍記者」とはどんな存在か
官邸が「質問は事実誤認」と東京新聞に抗議、内閣記者会にも要望
現場を取材し政治家の発言を確かめるのは、政治部記者の仕事ではない
第3章 だから「田原総一朗」は嫌われる!──なぜ、批判するだけではダメだと思ったか
若者たちはおとなしい。熱い議論を交わしたことがない
記者はとにかく忙しい。ルーティンワークが多く、余裕がない
新聞1ページの文字数は昔から半減。記事1本の分量も減った
「働き方改革」で夜討ち朝駆けができなくなった。だから新聞はつまらない
記者が懐に深く入り込んでいない。人間的な付き合いが浅い
付き合いが深いとは、会って、いいたいことをいえることだ
取材相手を徹底的に調べる。よく知っているとわかれば本音が出る
第4章 嫌われるジャーナリストは、どこへ行く?──メディアが大激変しても変わらないもの
新聞を取る必要がない。紙がいらなくなってきた
「ネットで見られるように書く記事」が大前提となっていく
「紙面がダメならせめてネットに」から「紙面よりネットに出したい」へ
「インターネットという流行り」という上層部発言にギョッとした
新聞は10年で1254万部減。再販制があるから、なんとかなっている
広告が減り不動産収入に頼る。従来のビジネスモデルでは存続すら危うい
おわりに 田原総一朗
など
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(C) Soichiro Tahara,Isoko Mochizuki 2020
出版日:2020/09/04