パーティに教授が来てから後は、もう涙ぼろぼろでした。「悪いのは彼だけではない」と思える主人公、なんて素晴らしい！と思ったら、ここはさちみ先生のアレンジだったんですね。他にも、「死ぬのは誰でもできる」「立派だった」「ドレスは働いて買う」等、感動した言葉は全部原作にはなくて、さちみ先生の漫画で読める日本の読者は幸せだと心底思います。 　私的には、「123ページと124ページの間に８分の１ページでいいから教授の言動フラッシュバックがあれば、主人公の言葉にいっそう説得力が出たろうに～！」と悔しいですが、文句なしの☆５つです。妹さん達にも幸せが来ますように。

原作も（漫画とはいろいろ違いますが）文句なしに面白いです！ヒーロー、強かったんですね。ちょっと完璧すぎるくらい（貧乏だけど）。誘拐されてから釈放されるまでが漫画より長いんですが、この間の二人の変化に感動しました。漫画のジョシュとギブがお気に入りだったので星ひとつ減らそうかと思いましたが、そのかわり、漫画の方ではあまり出番のなかったおばさま達の活躍が楽しかったのでやっぱり星5個で♪

自分の意志をもって頑張るヒロインと、寛大で尊敬できるヒーローでした。人間らしい魅力と実在感があります。欠点も含めて相手を認め、惹かれ合ってゆくのに共感できました。気持ちが通い合ってからも、自分の意志で離れたり、引き離されたりでハラハラ。結ばれたあとの会話がかわいくて、何回も読み返しちゃいました。モーラグに救いの予感がほしかったので星ひとつ減らしましたが、おすすめです！

　登場人物がそれぞれ、 いい意味で人間臭くて、とっても魅力的。 もう３０回は読んでいるのですが、 いまだにヒーローの「そんなつもりはなかった」という箇所で 胸がきゅんきゅん痛くなります。 　ヒーロー、あの傷でここまで怖れられるのか？と、 そこだけ納得しかねるのですが・・・ あんまりリアルに酷く描くと読者が読むの辛いし、 難しいところですよね。 　監視塔のシーン、 「闇」と「光」の雰囲気がとってもよく出ていて美しくて、 大好きです。 二人の気持ちの変化を象徴しているかのよう。 ため息が出ちゃいます。

ヒーローの当惑がいちいち言葉で書かれていて、 ものすごく笑えました。 こんなに笑ったハーレクインは初めて。 互いの気持ちがわからないなりにいっしょうけんめいな二人が、 とってもいとおしい。 きっと、そういう時期を乗り越えて、 ヒーローのおばあさまみたいな素敵な人になるんだと思います。 　最後のページの誓いの言葉には、 心が揺さぶられるような感動を覚えました。 古い感覚かもしれないけど、結婚って、 新しい命に責任をもつ覚悟をするってことだよね。 恋人でなく夫婦になろうとする二人に、 「あたりまえの中にある、美しく崇高なもの」を感じます。

ハーレクインには珍しい？「大金持ちのプレイボーイ」ではない家族を大事にするヒーロー。そして、あたたかく芯の通った、か弱いものを守ろうとするヒロイン。 「どんなに素晴らしい人でも、人に理解してもらえないこともある」「価値観は違っても、大切な家族」「友達には大切な人を紹介したい」「傷つけられて別れた恋人とも、幸せだった時間はあった」・・・といった、現実では当たり前のことが、さりげなく描かれていて大好きなお話です。 二人ともちゃんと自分の考えを持っていて、それを丁寧に言葉で伝えようとしているのも好感度大。一番のお気に入りは、「ありがとう・・・すべてに」と言うヒーローと、それを受け取るヒロインの表情です。ああああ、いい話だった～。

ヒーローの心の傷や、ヒロインの聡明さが心に残りました。が、ヒロインの聡明さやさしさは、ほとんどヒーローのいないところで発揮され、ヒーローも言及しないので、「結局ヒーローは赤毛と官能的な踊りに惚れただけ」に見えてしまうのが残念（私の読解力不足かもしれませんが）。シリーズ第１作ではわからなかった、メドウィン氏の素晴らしさとエリックの人間味が見られたのは嬉しかったです。