しっかりしていてけなげなヒロインと相変わらず思い込みの激しい傲慢ヒーロー。リン・グレアムらしい組み合わせ。姪の養育権を巡って、契約結婚してしまうのもHQらしい。定番ですが、嫌いじゃないお話です。ただ、漫画としては、一つの感情の流れでなく、途中途中で途切れている印象を受け、イマイチ入り込めませんでした。盛り上げ方も淡々としているし。この漫画家さんは嫌いではないですが、リン・グレアムのような、ヒロインとヒーローの感情の縺れ合いを描くのはお得意ではないのかな、と思いました。

プリンス物にしては、ヒーローはプリンスにあまり見えないのだけれど、品がありますね。内容は、普通の恋愛物と大して変わらない感じもするのだけれど、読後感がいいです。ヒーローが他の男の子供（しかも三つ子）をああも快く受け入れるのは、ヒロインを愛しているからだけでなく、自分が子供を作れないということにジレンマを抱えているからだと思う。それでも、すごいなあって思います。

面白いし、読みやすかった。ヒロインとヒーローだけじゃなく、ヒロイン兄とヒーローフィアンセのカップルができたのも面白い。ヒーロー父はどうかと思ったけど、ヒーロー母がしっかりしているので、大丈夫でしょう。

みなさんの評価が思ったよりも低いのですが、私はこのお話大好きです。確かに、HQというよりは、童話の延長にあるようなお話ですが、勧善懲悪もので、読んでいてすっきりします。ヒロインも、ヒーローや他の人たちとかかわることで、徐々に自信をつけていく姿がいいです。ヒーローのヒロインに対する姿勢も好きですし。まあ、義理の妹に最初関ったのは、「敵を欺くには。。。」という戦術だったと思うので、よしとします。ただ、ベティニールズの舞台って個人的には７０年代と思っていましたが、この作品は５０年代ぐらいですかね。古風な作風がまた素敵です。

このお話に盛り上げ上手な岡田先生はあってますね。いい組み合わせだと思います。けなげなヒロインと傲慢ヒーロー、HQありがちな組み合わせだけど、ヒーローが実はヒロインにベタぼれなのが、序盤からところどころで駄々漏れで、いいです。ただ、元婚約者が、痛すぎる。ヒロインの友人の筈なのに、ヒロインのあることないことヒーローにいうわ、勝手にヒロイン兄と駆け落ちするわ、ヒーローの子供妊娠したとかいうし、酷過ぎます。ヒロイン兄が気の毒になりました。

前半は、普通のボスと秘書ものっぽい匂いを漂わせていましたが、徐々にストーリーに引き込まれました。ヒーローがビジネスでの強さとは別の、人間としての弱さを見せるようになり、ヒロインが誠実にヒーローを愛し、それがヒーローを変えていく、という過程が矛盾なく描かれており、盛り上げ方も上手で、さすが上杉先生！という感じでした。3部作の中では、これが一番好きです。

さすが、岡田先生。盛り上げ方がとても上手で、おもしろかったです。ただ、ヒーローがなあ。こんなに疑り深い人で、ヒロイン本当にいいのかな、と思いました。

大好きなマヤ・バンクスの作品が、日高先生で漫画になった！、と楽しみに読んだのですが。。。ページ数の問題だと思いますが、正直、少しあっさりまとまり過ぎた感がありました。でも、3兄弟とも素敵で、このシリーズの他の作品も日高先生だといいです。あと、ずっと気になっているのは、ヒーローが、ヒロインのバッグに設計図が入ってるのをみてヒロインが盗んだと最初に思い込んだのはわかるのですが（きっとそれまで誰が盗んだか調べてもわからず、ヒーロ的には盲点だったんじゃないかな）、その後、彼女がどうやって盗んだかとかライバル社の誰とやりとりがあったのかということまでは調べなかったんでしょうか。その調査をきちんと行っていれば、ヒーロー側のヒロインに対する思い込みは早い段階で払拭されたと思うのですが。。。

原作既読です。原作だと、ヒロイン家族のえげつなさに目も当てられないところもあったのですが、漫画は上手にまとめてくださって、衝撃度が私としては低くて、読みやすかったです。お話としてはとても面白くて、ヒロイン・ヒーローだけでなく、もう一組隠れているのがいいですね。

切ないですね。若い頃のヒーローは本当に酷いんだけど、何だかんだ言って、ヒロインに惹かれてて、最後に悔い、ヒロインに愛を誓うところはよかったです。ヒロインも、どんなにヒーローを憎んでいても、愛憎裏合わせってことがよく伝わり、忘れきれていないんだなっというところが序盤から見えていたので、よかったです。

JET先生の絵柄は、最初あまり好きではなかったのですが、読んでいくうちに、なんかはまってしまいました。お話自体は、秘書とボスのHQ王道ものって感じですが、ボスが傲慢なのに繊細さを隠し持っていたり、ヒロインが仕事を通じてかつての自分から脱皮して、ボスに惹かれていく過程とか、矛盾なく描かれていてよかったです。

ヒーローはどうしようもない人ですが、橋本先生の画力でしょうか、読んでいて切なくなりました。とんでもないことをして後悔しているのに、上手に許しを乞えない。その一方でヒロインへの愛情は深まるばかり、、、という感じで、最後はヒーローの謝罪をヒロインが受け入れ、ハッピーエンディング。よかったです。

素直に面白かったです。歴史小説家を目指しつつ秘書を続けるヒロインとヒーローの遣り取りがいいですね。ただ、ヒロインが、地味な恰好をしている間はヒーローはヒロインの魅力に気付かなかったのに、ヒロインの素顔を知ってからは彼女に惹かれてしまう、というのは、男ってやっぱり単純なんだなあって思いました。

家族の妨害で結ばれず、あとからヒーローがヒロインを見つけて、シークレットベビーがいることがわかり、親権を奪おうとするってHQにはよくあるお話なんですよね。今回は、子供の存在がラストまでヒーローに掴まれなかったのがキーでした。ヒロインが、ヒーローの家族に脅されて身を引き、その際にお金を受け取ったことも、妊婦にしてみたら当然のお話で、金額を含めてとても現実的です。ヒーローは、恨む矛先を間違えている気もしますが、ヒロインが悪いと思いこまされたのでしょう。あそこまで荒んでしまうのは、本当にヒロインを愛していた反動というのが伝わり、気の毒でした。が、ヒロインと再会し、誤解も徐々に解け、愛情を再確認し、子供とも巡り合えてよかったです。よくある話なんだけど、全体的に矛盾なく、読者を満足させるのは、やはり荻丸先生の力量だと思います。本当によかったです。