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紳士の約束津谷さとみ/デボラ・ヘイル
テンポの良い素晴らしい作品 評価5 5

津谷さとみ先生の洒脱なセンスにより、面白くてオシャレなオペレッタを鑑賞したような読後感を味わえる、素敵なコミカライズ。 ヒーローのモース軍曹がいい男。平民で軍隊出身、粗野ではあるが頭はキレるし、心は真っ直ぐだし、ヒロインのレオノーラがメロメロになってしまうのはとてもよくわかる。 逆マイ・フェア・レディものだが、純粋な愛情と、当時の社会情勢(ナポレオンとの戦後、身分社会、相続権男女の有無、バースでの社交界)が複雑に絡み合い、平民のモースから見た貴族社会への風刺や身分差への哀しみもあり、うならされる話だと思う(ストーリーはリージェンシーのテンプレでもある)。そんなことを考えなくても、モースとレオノーラの身分違いの恋にときめきつつ、どう転がってハッピーエンドに繋がるのか、ラストまでテンポよくとても面白く読めると思う。

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恋の罪、愛の罰【あとがき付き】羽生シオン/アビー・グリーン
【ネタバレ】羽生ヒーローはカッコよすぎるよぉ! 評価5 5

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愛は魔法でなく流水凛子/スーザン・マレリー
なにこれすごい! 評価5 5

前半はスピード感溢れるドンパチシーンの描写が素晴らしい。軍事ものなのだが、特殊部隊で活躍していたヒーロー&ヒロインが、引退後に人間として普通の世界で生きていけるのかのシリアスな悩みがものすごく深い。読み終わったあとに胸にドーンっ!と響いてくる。 他の方々も書いていらっしゃるように、一見ハーレクインぽくはないのだが、凄い映画を見終わったような、スピード感、そして我々の大好きなロマンスが溢れている名作と思う。 ヒーローもヒロインも、身体も気持ちもものすごく強い。だが、決して他者へ自分勝手な気持ちをぶつけたりしない大人の愛情表現(ハーレクインには珍しいよね)があり、これを読者に分かりやすく伝え、スピード感溢れる前半ではグイグイ引っ張ってくれる、このコミカライズが素晴らしいと思う。

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火遊びはお好き?日高七緒/ヘレン・ブルックス
何度もされる愛の告白が破壊力強! 評価5 5

日高ヒーローがカッコいい~、のはいつものことなのだが、今作のジャックも特別激しくカッコいい!ラストの10年後の激渋ヒーローを見るだけでも価値がある作品と断言する。 実業家で大富豪のモテ男、移動は常に大型バイクなので自分の会社でも革スーツ。そんなんめちゃくちゃカッコいいよ~! そんな彼が、ヒロインの仕事の実力を認めて大抜擢さらに人柄へも惹かれ愛するようになる。 …なのに防御の壁を壊さないヒロインのホリー(トホホだぞホリー!)。 付き合う前から家族の住む実家(城)に連れていき紹介したり、ヒーロー愛のキメ台詞もこれでもかと浴びせまくる。 大勢の女なんていらない、 欲しいのは君だけだ、 ボクで試してみたまえ、 裕福なのは懸命に働いた結果で、 外見については両親を責めてくれ、 など。 何度も何度もカッコよくキメ台詞で愛を告白するジャックにフランス男感がビンビン(あくまで自分のフランス男感)。 それらが日高ヒーローから繰り出されるのだから、破壊力が強すぎてショックししそうになった。

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口づけは甘い罠小林博美/アイリーン・ウィルクス
特殊部隊ヒーローが超カッコよし! 評価5 5

ウェスト三兄弟の末っ子マイケルがヒーロー。お相手はなんと女性牧師であるA.J。メキシコの山間部に囚われたアメリカ人牧師救助の任務とともに始まり、ドンパチドキドキハラハラと映画を見ているかのような話だった。 自分的には、小林博美先生の特殊部隊ヒーローの軍事ロマンスはあまり想像がつかなかったのだが、ヒーローはものすごくカッコよかったし、ヒロインも強くてたくましくて、さらに救助ゆえのヒトゴロシに対しての悩みなど、深みが凄かったし、ロマンスとしても楽しめた。 ラストのクリスマス会では読者側はエイダ目線となり、三兄弟を見守った幸せを感じて涙と微笑みが止まらない。

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熱い契約【あとがき付き】高倉知子/ナリーニ・シン
色気がすごい 評価5 5

高倉先生の描くヒーローってなんでこんなにかっこいいの?と毎度思うのだが、この作品は身悶えることがしばしば!全コマのヒーロー、ジャクソンの色気にノックアウト。一方のヒロインのテーラーはか弱げなビジュアルだけど、しなやかで真が強くて愛情が深い人物像をしっかりと描いて下さっていて、理想とする男女がここにある!と大声で言いたくなる。 ヒーロー、ヒロインともに、それぞれの過去に傷を抱えつつも触れれば求め合わざるを得ない強い情熱、この男女の熱い気持ち一コマ一コマの緻密な描写に、読者側の胸の情熱をも掻き立てられるのが高倉作品の魅力と思う。 またこの作品は、ハーレクインによくある、これ最初から二人でよく話し合えばよかったんじゃない?という痴話喧嘩的な部分はないのが良い。話の進展とともに過去について打ち明け、お互いに歩み寄り未来へと繋がっていく2人の様にはとても感動する。

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美女と野獣?JET/キャロル・ディヴァイン
JET先生のプロレスラーヒーローに惚れる 評価5 5

なんてステキなヒーロー!マッチョでハンサムなビジュアルとトラを連れた姿がステキ!ハーレぽくないヒーローなのだがそれをこんなにステキに描けるのはJET先生ならではと思う。 ヒロインは、ショウでの美女をさらう演出と動物を利用することに訴えを起こす!さすが訴訟王国の検事ヒロイン。でも彼女がショウでヒーローにさらわれてる時、とてもステキで、私もさらわれてみたい、と思ってしまった。

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ガラスの家【あとがき付き】藍まりと/ミシェル・リード
傲慢苛烈な彼、だけど後ろを向いた表情が素敵 評価5 5

これは傑作です。 「おこちゃまワガママゴーマンヒーロー大暴れ!」と藍まりと先生があとがきでおっしゃっておられます。確かにヒーローは、人の話をきこうとしない、真実から目を背けるとんでもない頑固男なんだけど、でも、そんなところも素敵!素敵に見えるようにコミカライズされている。 ヒロインは、度量が広いというか、メソメソしたりくじけたりすることが殆どなくて、常に優美な雰囲気。もちろん、あまりのヒーローの無茶ぶりに涙をこらえきれないときもあるけど、優しくてしなやかで、芯が強い。 読者も応援したくなるタイプ。 たいていハーレ原作のヒロインは自分本位なんで、勝手な予想だが、これは原作からインスパイアされた藍まりと先生による物語なのだと思う。 ピタリとはまった素敵な話になっていて、とてもときめきました。

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身分違い塩森恵子/ロバータ・レイ
若き可愛いヒーローが激渋になった様を見るだけで幸せ 評価5 5

身分違いというタイトルはヒロインがお嬢様、ヒーローが労働者階級だから。そんな2人が若き日に愛し合い両親の反対を押しきって結婚。この若さ故の過ち満載の時代をきちんと描いてくれているので、後半の大人になった2人へ心からエールが送れる。 ヒロインは流産、離婚、資産家両親も相次いで亡くなり、独りになり、現在は労働者(苦労して経営者へ)として生きている。お嬢様からの転落で気の毒な状況だったが、そこからの彼女の頑張りがすごい! 数年を経て、経営者として再会するヒーローとヒロインには消しきれていなかった大人の情愛がしっかりと存在しており…! 読んでいて2人の懸命な生き方と、互いへの想いがヒリヒリと感じさせられた。これぞ大人のハーレクイン!

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ジュリア、君の瞳高山繭/キャロル・バック
読んでみてください 評価5 5

ラストのシーンでは涙があふれて読めなくなった。 ヒーローは目が見えない設定で、ヒロインのジュリアはサポートをする専門家としてヒーローの元へやってくるので、最初から何かと身体の距離感が近い。その上、高山繭先生のコミカライズでは、彼の顔のアップが多いので、サングラスをしているヒーローの眉間や口元、顔の角度などで、現段階での二人の距離感や関係が読者に手に取るように伝わってくるのが凄かった。 哀しい過去をバネに力強く活きるジュリアへも心から賛辞を送れる。 ああ、もう文章で説明をすることなそない感動作。読んで!

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少佐の花嫁文月今日子/マリーン・ラブレース
生還した英雄軍人の旦那様に離婚すると言ったら惚れられました 評価5 5

他の方が描いていらっしゃるように、衣装やヘアスタイル、内装や街の描写が素晴らしく、19世紀イギリスの世界に浸りまくれます。今回久しぶりに読み返したのですが、ヒーロー、チャールズの妻への、ちょっと執念深いくらいまでの愛情の強さに最高に滾りました!今の言葉で言うとジレジレの両片思いカップル、執着ヒーロー。自立した考えを持つ大人の女性となった妻に改めてベタ惚れになりつつ、必ず妻ともう一度心から愛し合うようになる!と決意するクリミア戦争の英雄チャールズの漢ぶりに拍手です!

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摩天楼に隠した秘密橋本多佳子/オリヴィア・ゲイツ
ヒーロー、コブラの虜 評価5 5

たくましい筋肉を見せながら筋トレマシーンを使う冒頭のヒーロー。こいつ…確かシリーズ作品で出てきたヒーロー達の仲間だけど、かなり悪い男のコブラだよな?他ヒーローにも嫌われ系の、こいつが今回のヒーローで恋におちるわけ?激しくカッコいいんだけど!!と、この冒頭の6ページもの筋トレシーンで心を鷲掴みにされた。 昔自分と関係したイイ女イザベラとの再会を、筋トレしながら回想するコブラ(本名はリチャード、顎髭あり)。そしてヒロインのイザベラも、コロンビアでのギャングの妻という忌まわしい過去を捨て、今はカタギになっている大人の女性というハーレには珍しい元悪い美女なヒロイン。再会した二人は大人の訳あり男女の駆け引きのみの関係だったはずが、実は…。  橋本先生の描く男くさいヒーロー、そして自立したヒロインが大好きなのだが、この作品は危険な男がヒーローゆえのダークな大人テイストで、そこがとても面白かった。  自分勝手な印象として、作中3分の一が、コブラのたくましい半裸姿(彼は自宅にプールやジムを有しており常時鍛錬する)と感じられたが、そこもハーレコミック作品としてはものすごい冒険をしていて、凄みを感じたし悶えた。

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禁断の夜を重ねて早坂いあん/モーリーン・チャイルド
これを読んだらそこはサンライズビーチ 評価5 5

舞台のカリフォルニアのサンライズビーチの潮とクッキーの香りが漂ってくるような素晴らしい作品。妻が事故死してから人生をあきらめてしまったヒーロー、ドクター・サムが、ヒロインのトリシアと会った途端に太陽に照らされて生き生きと輝き始める。2週間だけのゲストであるサムと、迎える家族側のトリシアがどのように結ばれるのか。静かなサムとにぎやかで優しい大家族との交流や、かわいいクッキー、やガーデンウェディングパーティ。全ての画面が幸福で溢れていて読んでいて自分もサンライズビーチにいるような気がしてワクワクしてくる作品。

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大富豪の嘘つきな恋人緒形裕美/ジャクリーン・バード
ゴージャスでセクシーなヒロインにメロメロ 評価5 5

ヒロインのエロイーズはティーンエイジャーで出会った初恋の人を忘れられない純真な乙女。だが女性性を傷つけられた昔の事件のせいで男性恐怖症、なのに外見は問題児だった美貌の母親譲りのセクシーでゴージャス美女で男たちを虜にせずにはいられない。 ヒーローのマーカスにとって彼女は悪女。しかも17歳でマーカスと出会った時、初心なふりをして彼女に夢中にさせて突然姿を消し、さらに母親と共にマーカスの叔父から莫大な資産を奪った極悪女。ヒーローのマーカス視点から始まる悪女のエロイーズの物語がたまらない。冒頭よりエロイーズとの再会を仕組んでいたマーカスはずーっと彼女にメロメロだった…! このヒロインのビジュアルが緒形裕美先生の作品にピッタリだと思う。緒形作品は、セクシーな女性が秀逸だと以前から感じていたが、ハーレでセクシーさを売りにするのはライバルや悪女キャラになってしまうが、エロイーズは立っているだけで男を虜にする女性。マーカスもブサかわぬいぐるみ以外の男と会ってはいけない!と心配するくらい。そんなエロイーズが自身が傷つけられた過去と対峙して強くなっていく姿に、女性としても共感!

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孤独な城主と囚われの娘松尾しより/ペニー・ジョーダン
良すぎて言葉がない 評価5 5

良すぎて言葉がない…! ヒーローのニコラスがカッコよく、冷たくて怖くて、でも優しくて哀しくて…ハーレヒーローのいい所が満載なうえに、作画が美しすぎる! そしてヒロインのローズマリーの純粋な優しさと「愛」というギフトを兄の遺児キットに私が伝えねばならない!という使命を貫こうとする芯の強い姿には、読者は心から応援してしまうのだ。冥王と言われ、妹の葬式にも来なかったニコラスの真の姿がついに分かった後半、あんなに強かった彼が実は…涙腺崩壊した。 個人的にニコラスの「ローズマリーおばさん臭い」というセリフや、キットと言葉のゲームをやる姿にはぐっと来た。

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月夜の告白高山繭/ルーシー・ゴードン
オシャレでレモンの香りが漂う 評価5 5

読んでいる間中、地中海の風を感じ、後半はレモンの香りを感じる作品だった。 ヒロインのアンジェラと、彼女が演じるおバカタレントのエンジェルの描き分けがとても良く、これだけでアンジェラ本人の持つ品性や知性などといった人となりがよくわかった。その上で、彼女のこれまでの人生の悲しみが分かった時には泣けた。 頑固で一途なヒーローのヴィットリオとは本当にお似合い。 美しいイタリアの景色と高山作品独特のオシャレ感があいまって、まるで地中海を見ながら読んでいるかのよう!

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千一夜の夢に抱かれて真原ゆう/リズ・フィールディング
女子の夢つまりまくり! 評価5 5

冒頭、砂漠で顔に傷のあるヒーロー、ブラムが裸で登場(水浴び後?タオルは有)。初対面のヒロイン、ルビーに「お前のこと知らない」って冷たくあしらうのだけど、日干し煉瓦の階段でコケたルビーを素肌のブラム(下まつげの色気がスゲェ!)が受け止め、抱きしめる。 初対面で色気ムンムンのシークヒーローの素肌に抱きしめられるシチュエーション! はい! そこでもう好きになる!ね?読者もう夢中。冒頭からブラムまっしぐら! 派遣秘書のルビーは色気のない仕事スーツ&ショートヘアなのだけど、色々あって砂漠の国のお姫様になったりドレスアップしたり、そんなルビーにブラムが見惚れたり。ラストはブラムがスーツでロンドンへ。砂漠の古ぼけた砦から都会のビジネスマンに変身したブラムの姿。ワォ素敵! とにかく女子の夢が詰まっている作品!だと思う。

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別れても愛しくて白井幸子/ペニー・ジョーダン
ラストは涙で祝福 評価5 5

大好きな作品。大人の男女の恋愛で、別れた夫婦の元サヤものなのだが、憎んでいるはずの元夫と、中年になってから突然再会し、どうしようもなく惹かれてしまう状況に、読んでいてドキドキが止まらなかった。  病に悩み疲れたヒーローのルイスが渋カッコよく、放ってはおけない弱さも感じさせられ、応援してしまった。ヒロインのレイシーは社会に認められて自信に満ち溢れて美しい大人の女性。二人の娘ジェスの恋愛も交えて、愛する相手と、病と、どう向き合って生きるか、が白井幸子先生の美しい作画で描き出されていく。

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熱い罠緒形裕美/リン・グレアム
傲岸不遜なヒーロー、カルロ。彼は最初から… 評価5 5

冒頭美しい他の男の花嫁ジェシカに向かって傲岸不遜な男カルロが言い放つセリフ。「いつの日か君は—僕の前に跪き愛を請うだろう。その時には復讐してやる。ジェシカ君を絶対に許さない」これは苛烈!強烈!だが私の中ではビバ!ハーレクインヒーロー!と拍手が出る気持ちの良いセリフで、ヒーローの愛の筋が一本通った作品だった(さすがリングレヒーロー)。お金目当ての義理母サニーの作画が色っぽくてキレイで良い。さすが大富豪の4番目(確か)の妻!

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竪琴を奏でる騎士しげまつ貴子/マーガレット・ムーア
カークタス卿が好き! 評価5 5

ヒーローのカークタス卿レイモンに惚れて何度となく再読する作品。若い頃に愛していた妻に裏切られ心と体に傷を負わされたカークタス卿の下へ、とびきり純粋で、でもしっかり者のヒロイン、エリザベスがやってきて真実の愛で癒してくれる。エリザベス自身も修道院で虐待された過去を持つが、逆境に負けない気高さと賢さを持っており、それがとても痛快だ。裏切りと陰謀と権力争いばかりの血なまぐさい時代に、本当の信頼と愛を得る二人が素敵すぎる!読んでる自分も幸せになれる作品。犬、頑張った!

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追憶塩森恵子/サラ・クレイヴン
ちょっと昔の田舎町へタイムスリップ! 評価5 5

ちょっと古い時代(40年以上前)のイギリス田舎町が舞台で、ヒロイン周囲の大人も婚約者の考えも、ヒストリカル以上に古臭く感じてしまうが、そういう時代背景を踏まえて読むと、タイムスリップしたような感じに陥る魅力ある作品。なんせ塩森先生の世界なんでひきこまれる力がすごい。  元は奔放で自由闊達(そして多分肉食系女子)なヒロインが、ティーンエイジャーの頃にやらかしてしまい、ずっと好きだったヒーローと、周囲の人へ迷惑をかけてしまったという罪悪感で、大人になり人生をゆがめた間違った結婚をしてしまいそうになっている所へ、帰ってきたヒーローと再会し本来の自分を取り戻していく。

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伯爵の不都合な花嫁岸田黎子/ジュリア・ジャスティス
まばゆいドレスがキラキラ、だがそれだけじゃない深い物語 評価5 5

夢中で読み、感動した物語!女性が生き方を制限されていた時代、そういうものに反抗をしている聡明で痛快なヒロイン!ただそう思っていたが、それだけでなく魂を深く傷つけられた人間の再生の物語だった。ヒーローが心が広くて良識的で、勇気があって紳士で理想的なスパダリ!だと思っていたが、彼もまた深いところで家族に傷つけられた人間で…。お互いを知り合い(旧知の仲だが)、愛を確かめ合い、二人で再生していく様子をぜひ読んでみてほしい。 ヒロイン母親の事情、個性豊かっぽい兄たちにも興味をひかれるのでいつか原作を読んでみたい。 ドレス、ヘアスタイル、家具調度、19世紀イギリスの風景、岸田黎子作品世界に描かれているそういったもの全ての美しさには冒頭からラストまで垂涎もの。漫画効果のバックのお花も美しい!もっと飛ばして欲しい。

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売られた花嫁白井幸子/キャロル・ディヴァイン
悩める牧場主ヒーローが愛を自覚するもだキュンがたまらない 評価5 5

特殊なコミュニティで育ったヒロインのレイチェルは、普通の現代生活で見るもの聞くものすべてが珍しい。容姿が美しく純真で無垢なレイチェルに、超過保護になってしまう牧場主ヒーローのリンク。素直に気持ちをぶつけてくるレイチェルへの愛に悩めるリンクはカッコよく時々とてもかわいくもある。だが対等な人間として愛し愛されたいというレイチェルの願いの何と崇高なことだろう。彼女の人間としての叫びには感動した。 白井幸子先生の絵柄が好きなので、全編眼福。背景のお花も自然豊かな作品にマッチし読者を盛り上げてくれる素晴らしい作品だった。

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あなたにお熱塩森恵子/シャーロット・ラム
これは本当にコミカライズか? 評価5 5

 人間がいかに愛を必要とし、それに振り回されているか、そしてそれを喜びと感じているのかを、塩森恵先生が熱く語ってくれているすごい作品。塩森先生は人生に対する深い洞察があり、それを漫画で表現しようとする熱量が半端じゃなく深く引き込まれてしまう。また作品内のキャラ達もそれぞれ悩み多き人生と愛を生きている感が凄い。  これって原作があるの?塩森先生のオリジナル作品じゃないの?とさえ感じていた。が、改めてシャーロット・ラム作品と認識し、ヒロインと出会った途端ヒーローが「お前しか見えない」グイグイ感が、これは原作通りなんだろうな、と納得。原作も読んでみたい。

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悲しみの白い薔薇緒形裕美/キャロル・マリネッリ
眼鏡イケメンのセブが超すてき! 評価5 5

幼い頃の二人の境遇と負った傷がとても可哀そうで泣けてくる。このシリーズ中、最も派手さや華やかさのない堅実なヒロインがこのナオミの話だったが、そういう華麗な見せ場がない分、形が見えない「愛」とは一体何なのか、ということを読者に問われているようで一番印象的だったと思う。 なお、セブのロシアでの家族ともいえる仲間たちも登場すると、みんなきた!とこちらも嬉しくワクワクする。

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幸運の鷹宮本果林/ミランダ・ジャレット
独立戦争時代のアメリカで強く活きるヒロインがすごい 評価5 5

舞台が独立戦争時期のアメリカで、戦っているのがイギリス軍とアメリカ植民地軍で、その間に立って信念を揺るがすヒーロー。そして植民地アメリカで暮らす人々…。社会情勢がとっても複雑な時代で、この時代のアメリカ(18世紀)は一般的な日本人にはなじみがないので、ストーリー中での敵味方をなかなか把握しずらかったりする。  しかしその中で懸命に暮らす人々を躍動感豊かに描き切っておられてすごいと思う。キャラがじっとしているページがなく、アクションシーンや小競り合い、戦闘、軍人同士が怒鳴り合っているシーンが多い。そんな中で、ヒーローを助けるため、また自分の子供を守るために立ちまわるヒロイン。ヒロインはよくこんな所で宿屋をやっているなあ、という印象をうける。当時の女性は強く賢くなければ生きていけなかっただろう。 原作もぜひいつか読んでみたいと思った。 ひとっこと、表紙の絵が本当に好き!

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シークのいざない横井里奈/アン・ヘリス
私にとってはこれぞハーレクイン!な爽快な物語 評価5 5

スピード感があってスッキリ読み終われる、例えるならエンターテイメイント映画のような作品でとても楽しめる。 ヒーローのパシャ、シークがめちゃくちゃカッコよい。 ヒロインのクロエはインテリジェンスで勇気溢れる女性。 それでもやはり時代故に自分の自由には生きられず、家の経済状況を救うために決められた婚約者がいる。 この二人どうなるの?という展開なのだが、砂漠の王国があり、そこに悪い組織があって、ヒロインの悪徳な実家があってと盛りだくさん!ラストまで一気に駆け抜けられる爽快感が凄かった。

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愛と喜びの讃歌(カラー版)青鹿毛スバル/マーガレット・ムーア
白黒のみで構成されたカメラワークの優れた画面が素晴らしい 評価5 5

まずめくってみてください。ヒーローは表紙から受ける印象より本文の方が大人の色気を感じる。それがとても好い! クリスマス前の話なので全編雪深い寒いシーンばかり。冒頭は不気味な暗い城に住む悪い噂の絶えない伯爵のところへ、ヒロインのグエンドリンが子供たちの為の寄付を求めて一人乗り込んでいく。この屋敷の描写が、映画を観ているようなカメラワークで、(漫画なんであたりまえだけど)黒と白のみで構成される巧みな画面が不気味さを盛り上げ、侍女のお婆さんと伯爵に対峙した際のヒロインの恐怖と畏怖の感情を読者に効果的に伝えている。まさにゴシックホラーである。 そんな冒頭から少しずつヒーローである伯爵の人間らしさが描写され、同時にヒロイングエンドリンの弱きものへの労りの心と過去の体験が語られて…。 私の好きなバックにお花が散る漫画効果は使われていないのだが、かえって静謐でピリリとした北国の痛いほどの寒い空気感が全編通して感じられ、その上で結ばれていく二人の絆。 ラスト、私の眼には彩り豊かな北国のカラフルなクリスマスが感じられた。

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トスカーナで恋を野妻まゆ美/アン・メイザー
苦み走ったヒーローの渋さが素敵! 評価5 5

え?このおじさんがヒーロー?めっちゃ好みー!!! ありがとうございます野妻まゆ美先生。(羽根くん、女甲子園、めちゃ好きでした) というわけで、コミカライズ版では何歳なのか言及されていないが、既婚の娘と16歳の息子がいる45歳前後であるらしいヒーローのレイフがめちゃ渋くてカッコよい! しかもヒロインは家庭的に恵まれなかったイギリスのアラサー地味女子、そして教師。本当に地味そう。 毒妹、毒親のしりぬぐいでイタリアに来たヒロイン、そこでこの激渋イケおじ(もち金持ち)と出会う、美味しい楽しい嬉しい物語!

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捧げられた乙女のわきねい/アニー・バロウズ
木の実色の乙女と大型犬の体格差に心がわし掴み 評価5 5

不穏で複雑な時代背景に翻弄される二人。ヒーローのジャーがカッコかわいい。犬番と間違えられて…、ていう出会いも素敵だった。ヒロインのマディがたびたび「木の実色の乙女」とジャーに呼ばれるんだけど(主に心の中で)、それがのわきねい作品のキャラにドンピシャに合ってる!と思った。読んでいてその言葉が出るたびに私のテンションが上がった。多分そこに、人間が自然と共に生きている時代、ヒーローのジャーが持つ女性感もあらわされる巧みな表現を感じたからだと思う。でも、単純にヒロインのマディを言い表すのにピッタリな呼び方で、愛がこもっていていちいちトキめくんですよ。 またラスト付近にある肉親による悲しい出来事ではヒロインのマディが可哀そうで…。 ヒーローのジャーは益々彼女を愛して幸せにしてあげて欲しい、と心から思える二人だった。 ラスト一言、体格差がまことに善き。

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