「発達障害」だけで子どもを見ないで その子の「不可解」を理解する
「子どもの心と行動を理解したい」人たちへ
自閉スペクトラム症、ADHD……
診断名よりも大切なこと
診断名はあくまでもその子の一部にしか過ぎません。「自閉スペクトラム症のAくん」「注意欠如・多動症(ADHD)のBちゃん」といった視点よりも、大切なのは、その子の目線にまで達して、気持ちを想像してみること。本書では、「発達障害」と診断される可能性のある子どもたち12のストーリーを例に、その子の気持ちを想像し、困っていることを探り、「仮の理解」を行う過程を解説。わが子の「不可解」な行動に、悩める親や支援者を応援する一冊です。
【「はじめに」より】
この本は、わが子の育ちを心配する保護者の方々に手に取ってもらえたら、読んでいただけたら、という思いで作りました。
すでに、発達障害について解説する本は、たくさん書店に並んでいます。飽和状態に近いと思っています。
その中で本書は、もしかしたら、わが子には「発達障害」という診断が付くのではないだろうか、あるいは周囲からの指摘に、思い悩み、漠然とした「不安」を抱えた保護者の方々に読んでいただけら、という思いで作りました。
<中略>
診察室では、時間もいただけますし、出会いを重ねることもできます。そして実際の診察室での話は、これ以上に生活状況は錯綜し、複雑になっているものです。なかなかきれいには収束しません。
でも、だからこそ、僕たちは日々の臨床で試行錯誤し続けます。
はじめに
第1部 子どもの心と行動を理解したい!
乳児期(0~3歳ごろ) 1歳半ごろから心配が表面化
幼児期(3~6歳ごろ) 初めての集団生活への不安
就学期(6~7歳ごろ) 就学先選択という一大テーマ
学童期(6~12歳ごろ) 小学校生活の3つのステージ
オマケ 思春期(12~17歳ごろ) 親との距離感が大事な時期
第2部 医療の役割──「診断名」を超えてその子に近づく
発達の診立て
(1)子どもの発達の診立て
(2)家族の診立て
(3)これまでの整理とこれからの見通し
おわりに
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(C) Yasuo Tanaka 2019
出版日:2019/12/05