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セーヌに映るシンデレラ藤原基央/アンドレア・ボールター
パリは恋の町 評価5 5

愛らしく頑張り屋さんのヒロインの物怖じしない態度は、まさに両親や兄たちに愛されて育った末っ子の持ち味そのもの。ヒーローが最初は面食らったヒロインとの丁々発止のやりとりも、彼女が持つ本来の素直さがあればこそ。ヒーローもヒロインとの時間を楽しいと感じることができるようになり、二人の心が近付く過程がとても自然です。出会って間もない頃から全く違う互いの感性を尊重しあっている様子も、大人の恋の始まりを予感させてくれます。自ら作った規律を守り、ずっと目を逸らしてきた自分の弱さを認め、両親と対峙することでヒーローは幸せを掴む事ができました。普段の感情論は追いやり、数字や確率を持ち出してまで未来に蓋をしていたヒロインも、一旦は別れを覚悟したヒーローの為にその手を取り事態を変えるきっかけを作ったのです。甘く朗らかな笑顔に少しの苦味がスパイスとなっている、とてもオシャレな大人の作品だと感じました。

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恋はすみれ色河村恵利/ヴァイオレット・ウィンズピア
幸せもすみれ色 評価5 5

冒頭の展開は不穏なものでしたが、ヒーローの思いやり溢れる配慮(というか殆ど一目惚れの為せる行動)に先ずホロリとし、ヒロインが誠心誠意お仕えする奥さまの愛情溢れる言葉には胸が詰まりました。前髪をきちんとピンでとめているヒロインの姿が彼女の真面目な心根を見事に表現していて、流石河村先生!と唸ります。思いが通じあった病院の廊下で、怪我の痛みのせいでヒロインを抱きしめられないヒーローが、こんな失策は初めてだと目を伏せる姿が辛そうで、素直な無念さが伝わってきます。階段で2人が抱き合うシーンは、私も窓から覗いてみたくなる程甘さたっぷりで最高でした!何度読んでも泣ける、心が柔らかくなるように感じられる物語です。

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幸せを運ぶ求婚者ハザマ紅実/エリザベス・ロールズ
最高の原作を最高のコミカライズで! 評価5 5

原ちえこ先生がコミカライズして下さった『誇り高き愛人』の続編に当たるこちらの作品は、とても悲しく辛い経験をしたヒロインが主人公です。久しぶりに再会した幼馴染みのヒーローは、幼い頃の愛らしい面影を失くしてしまったヒロインを守ろうとプロポーズしたものの、ヒロインが背負う過去は余りにも厳しく断る事しかできません。全ての真実を知ったヒーローの愛情と懐の深さに心を開き、新たな道へ踏み出すヒロインの涙に貰い泣きしてしまいました。ハザマ先生の優しく麗しい作画で、原作を損なうことなく素晴らしいコミカライズに仕上げて下さった事に、感謝と感動の拍手を送りたいです!前作共々、ヒストリカル好きな方には必読の一冊だと思います。

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天使と千切れた赤い糸真原ゆう/ケイト・ヒューイット
砂漠の姫君はたおやかで美しい 評価5 5

愛らしく、慎ましやかなヒロイン。王女として恵まれた環境で育てられたものの、自らの人生を選ぶ機会もなく、見知らぬ男性に嫁ぐ為だけに年月を重ねてきたのかと思うと胸がしめつけられるようです。幼い頃両親に捨てられ自分の存在価値を見失ってしまっているヒーローの孤独は深く、他者に心を開く事はできないと言いながら、何よりもヒロインを優先する姿は清々しい程に真摯で配慮に溢れていました。不器用な二人が、あの時あの場所で出会ったのもやはり運命なのでしょう。様々な壁を乗り越え、時には力技で障害を捩じ伏せながらもお互いへの愛情を確かめあった二人には、もう恐れるものは何もありません。最後、目を細めて笑う二人の表情がそっくりで、幸せな気持ちにすっぽりと包まれました。

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素直になれない二人松本夏実/ベティ・ニールズ
可愛らしさが詰まってる! 評価5 5

もう、なんと言ってもヒロインが可愛い!可愛すぎます!家族思いの末っ子は少し意地っ張りの頑張りやさん。カーテン生地で見事なドレスを作った事が自慢なのに周囲に認めて貰えなくて寂しくなってしまう所なんて、まさに甘えん坊そのものです。言葉が足りないヒーローですが、心の声は周囲に駄々もれで、乳母には元よりヒロインの姉達にも気持ちは伝わっているのに、なかなかヒロインには判って貰えない。ヒロインの願いを尊重する余り最後の最後までヒーローは告白できずにいましたが、行動ではしっかり愛を伝えています。ラストシーンで二人の足元には、赤い糸ならぬえんじ色の毛糸が美しい円を描いていて犬たちも楽しそうに駆けている。その光景は、明るい未来に繋がる本当の幸せを感じさせてくれました。

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いとしさと傷を抱きしめて白井幸子/スーザン・マレリー
理系イケメン登場! 評価5 5

ハーレのヒーローと言えば逞しい体つきというイメージがありますが、今作のヒーローは長身痩躯に描かれていて、最初の横顔のカットは近作の007に登場するQを彷彿とさせる理系イケメンです。ヒロインの冷静さも実は本来のキャラクターではく、周囲への気遣いと自分自身の心を守る為に生み出された鎧のようなもの。ヒーローもヒロインも過去に囚われ一歩も動けず、なかなかその場から離れられない様子がもどかしい。本当に望む未来を手にする為、再び愛を求める心を認める為。二人の思いが重なり結ばれるシーンは最高に美しいと感じました。子供の愛らしさも、頼りがいのある家政婦も魅力たっぷり。家族のその後の様子も描いて下さり最高です!一年半ぶりという白井先生のハーレ作品、たっぷり堪能致しました。

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野獣王子と、兄王の許嫁津谷さとみ/ミリー・アダムズ
なんてセクシーな野獣! 評価5 5

全く無理のない疾走感溢れるストーリー展開の中、ヒーローとヒロインの心の変化が自然と伝わってきて素直に物語に集中できます。ヒーローのロイヤル感溢れる野獣ぶりは凄まじくセクシーで、お顔の傷さえ美しい!単なるお嬢様ではなく自ら会社を率いてきたヒロインは、表向きの自信に満ちた姿とは裏腹に乙女な清純さも持ち合わせている。結ばれて尚、ヒーローの心に深く刺さった楔をどうにか取り除こうと奔走するヒロインの勇姿に、心からのエールを送りたくなります。他者を愛せる者は父親とは違うと兄王に諭され、ヒロインへ愛情を与える事のできる幸せをヒーローはしっかりと噛み締めた事でしょう!ラスト2ページにほっこりしつつ、これはもしや兄王と秘書のお話もあるのでは?だとしたら是非津谷先生にお願いしたい!と心の中で叫んでいます。

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めぐる季節の贈り物もとなおこ/ベティ・ニールズ
その思いやりは天鵞絨の手触りのよう 評価5 5

最初は、決して交わる事はないだろうとさえ思えた二人の運命。それが、ヒロインの身に起きた最大の悲劇をきっかけに動き出します。ヒーローへの思いをひた隠しにしながらも健気に、真摯に仕事へ向き合うヒロインの切なさも、思いを寄せるヒロインを影ながら支え続けるヒーローの矜持も、各々がとても美しく表現されています。時代考証の確かさは流石、もと先生の真骨頂!ヒロインのナース姿もさることながら、ヒーローが纏う上質な白衣の重さまで感じ取れる説得力のあるこちらの作品は、可愛らしい犬や猫の登場も心を和ませてくれる、暖かく穏やかな幸せへ辿り着く為の物語です。

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週末の危険な遊び松川祐里子/ヴィッキー・L・トンプソン
ドキドキの躍動感! 評価5 5

思わぬ人違いというトラブルを経て巡り会ったヒーローとヒロイン。早々に誤解はとけたものの中々自分の心に素直になれない二人は、ある意味似た者同士なのかもしれません。各々の兄弟姉妹もとても懐の深い人物で、二人の為に心を砕く様子が生き生きと描かれています。終盤になり、辛い過去を自らの力で跳ね返したヒーローの誇らしげな表情は格別です!読了後も、ずっと爽やかな甘い幸福に浸っていられる作品です♡

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薔薇色の明日桐坂真生/レベッカ・ウインターズ
夢物語一色ではなく 評価5 5

苦しみや悲しみを内包した、大人二人の恋物語。嘘も誤解もなく、少しずつお互いの距離を縮めていく様子がとても丁寧に描かれています。ヒロインもヒーローもカジュアルな服装を身に纏い、等身大の人物として感情移入しやすいのです。ヒーローが最初、少し俯き加減にヒロインに遠慮しつつ話しかける姿は、まさに恋におちた好青年そのものです。クリスマスを思う時、読み返したくなる作品がまた一つ増えました!

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床磨きのサラの恋中村理恵/ニーナ・ミルン
最高のエンディング! 評価5 5

重すぎる過去を隠し通すのではなく、あくまでも正直に『今』を生きる健気なヒロイン。己の出自により、大切なものを遠ざけようとする苦労人のヒーロー。二人の心の橋渡しをするヒロインの娘が、文句無しに可愛いです♡注目すべきは、ヒロインへの愛情を素直に認めたヒーローからのプロポーズの場面!跪く前のヒーローの流れるような口上に、思わず胸を突かれます。こんな言葉、聞いてみたいー!

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見習い修道女の秘密秋元奈美/ケイトリン・クルーズ
過去でなく、未来を! 評価5 5

父親への復讐に囚われ続けるヒーローと、細やかな夢を諦めてでも現実を受け入れるヒロイン。秋元先生が描くヒロインの、なんと魅力的な事か!いつまでも泥濘で足踏みをしているようなヒーローとは違い、ヒロインは過去ではなく常に未来を見据えています。そんなヒロインがヒーローに対して「もう何も諦めたくない」と最後に懇願する場面には泣かされました。お互いへの愛情だけが、二人が胸に秘めてきた苦しさや悲しみから解き放つ力を持つ。そう気付けた二人は、共に生きることで誠実な未来を手に入れる事が出来たのです。認め、許し、受け入れる。こんなヒロイン、素敵すぎます!

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スペイン富豪の華麗な策略七星紗英/ミシェル・スマート
幸せの価値とは 評価5 5

何を幸せと思い、何を不幸と感じるか。それはまさに人それぞれで、他人に強要する事は出来ません。一つの出来事に対しての受け止め方も、どのサイドに立つかによって異なるのだということを、前作から続くこのシリーズ作品を読むとよく判ります。前作では完全に悪役側だったヒーローの行動にも彼なりの理由があって、その報いも受けている。今作のヒロインとは綾なす間柄ながらも、お互いへの真実の思いに気付いた時に別れを選ぶしかなかったという心境もよく判ります。七星先生が丁寧に描いて下さったので、ヒーローの『笑顔』の意味もすんなり伝わってきました。このシリーズにはもう一人気になる登場人物がいます。そちらのお話も期待してお待ちしています!

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悪魔に魅せられて青鹿毛スバル/テリー・ブリズビン
ここで出逢えなければ 評価5 5

もし他のレーベルで描いていらしたとしたら、青鹿毛先生の真の実力を知る事すらなかったかもしれません。デビュー以来全て読み続けておりますが、前作も含めハイランダー時代の作品は殊に秀逸で、今回もまた心の中で感動の嵐が渦巻いています。言葉よりも雄弁な瞳と姿、そして掌の動きにより導かれる物語は、隙間のない程たっぷりと感動の思いで胸を満たしてくれるのです。素晴らしい作品を紡いで下さり、感謝しかありません!

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伯爵に買われた花嫁中村地里/ルイーズ・アレン
最高の縁組 評価5 5

兄の放蕩のせいで婚期も持参金も逸したヒロインは、自身も気付かぬ程の美貌を持つ落ち着いた女性。そんなヒロインと衝撃的な出逢いをしたヒーローは、周囲から憧憬の眼差しで見詰められる独身男性。結婚した後も無垢な純粋さがヒロインを頑固者にしてしまっていますが、自分がどれ程妻を愛しているかを必死に語るヒーローにうっとりしてしまいます。兄も妹への愛情を見失ってはおらず、ラストはほっこり。衣装も調度品も建物も馬も、全てが圧倒的に美しく、さすが中村地里先生のヒストリカル!と唸りました。最初から最後まで、何度となく甘い溜め息を吐いてしまう物語です。

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幾度目かの甘く切ないキス小倉つくし/マージョリー・ルーティ
甘さたっぷり! 評価5 5

細やかで鮮やかに描かれた人物や調度品の数々、奥行きの感じられる背景が見応え充分だと改めて感じます。ヒロインの纏うファッションやヒーローがスマートに小切手を切る場面から、この作品が70年代のものだと確信しました。具体的な表記がなくとも、こうして伝わってくる仕上がりに感服です!硬軟取り混ぜてのストーリー展開はスピーディーで、長編があっという間に感じられる程疾走感がありました。運命の出逢いを経て惹かれあい、狂おしい程の恋を成就させたヒーローとヒロイン。グリーンのワンピースと上品なストローハットが似合うヒロインには、エメラルドのエンゲージリングが最高に相応しい事でしょう。まるで一編の映画を見ているようにドラマティックで、愛情と笑顔、そして数々の甘いキスに溢れた、愛すべき人々しか登場しない物語です!

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なくした記憶と愛しい天使汐宮ゆき/ジョス・ウッド
切なさと喜びと 評価5 5

こちらは『家なきナニーの子守り歌』『白紙にしたはずの恋』の関連作品です。時系列ではこの作品が三作の中では最初にあたるのかと。記憶喪失、シークレットベビーと、ハーレにはよくある展開なのですが、さすが汐宮先生です。物語の流れに全く無理がありません。ヒーロー、ヒロイン共に、なぜそうなってしまったのかという過去のトラブルの内容は、何れも理解できるものばかり。たった一夜の契りで授かった息子のタイが、まるで愛の天使のように二人の絆を結び直してくれます。全編に溢れる誠実さが心地よい、美しい作品です!

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秘めやかな恋の訪れ小林博美/ペニー・ジョーダン
可愛い冒険 評価5 5

ヒロインの持つ、抱き締めたくなるような愛らしさは格別です!そんなヒロインの自己肯定感の低さが原因となる嘘に翻弄されるヒーローは少しお気の毒ですが、混乱の中でもヒロインへの愛情と信頼を育てていく様子はとても知的で、彼が学者だという背景を見事に表現していると感じました。自分とは違い、何事にも積極的な家族にもたっぷりと愛されているヒロインが勇気を振り絞り、最後には真実の恋人を手に入れる事ができたのもとても自然。ヒーローも切ない過去と決別し、ヒロインとの希望に満ちた未来に一歩を踏み出す事ができました。小林先生の紡ぐ繊細で優しい物語が、読者の心を柔らかく穏やかに整えてくれます♪

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心の扉高倉知子/エマ・ダーシー
大人の恋の物語 評価5 5

真の切なさが迸る、大人の恋の物語です。夫の手酷い裏切りに心を閉ざすヒロイン。そんなヒロインのかつての笑顔に強く心惹かれたヒーロー。心ない(と見せかけた計画的な)誘いを毅然と断ったヒロインの後ろ姿を見送ったヒーローの横顔の美しさといったら!高倉先生の真骨頂を見た思いです。離婚直前に夫と死別したヒロインを、ひたすら大切に思い優先させるヒーロー。自分に横恋慕する女性を断固拒否するヒーローの姿は清々しく、胸がすくようでした。ヒーローが抱える心の闇も、ヒロインが真正面から対応する事で晴れていく。その背後にあるヒロインの強さこそが美しい。これは、ヒロインの穏やかな笑顔を取り戻す為の、ヒーローの心の旅路を描いた大人の恋の物語なのだと感じました。

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プロポーズは楽園でOH太/ナオミ・ホートン
疾走する感覚が心地よい! 評価5 5

最初から最後まで一度も立ち止まる事のない、スピード感溢れる物語。ヒロインの大叔母にあたるバーティの魅力に引き寄せられたら、最後までトップスピードで駆け抜けて行くしかありません。そして、幸せな気持ちに浸ったままゴール出来る事は確実です。人たらしヒーローの魅力は書ききれない程たっぷりですし、頑なで清廉なヒロインの愛らしさに心が沸き立ちます。あっという間の125ページ。これから先の二人の、家族の姿を是非見てみたくなる傑作です♡

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無垢なメイドの一夜の恋は岡本慶子/トリッシュ・モーリ
運命の一夜 評価5 5

まさに正統派シンデレラストーリー。ヴェネチアの謝肉祭の夜に出逢った二人の恋は、まるで夢のようなスタートを切って始まります。変に自分を卑下する事のないヒロインの「初めてだから何?私は私よ」という言葉の示す芯の強さが、彼女の魅力の全てを表しているようです。ヒーローは最初から最後までヒロインに強く惹かれている様子がありありで、読んでいてつい顔がニヤケます。それぞれの家族の理解の深さも好印象で、こんな愛情深い国王夫妻の治める国に住んでみたい!と、本気で思う幸せ一杯の物語でした。

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闇に眠る騎士サクヤカイシ/マーゴ・マグワイア
引き込まれます! 評価5 5

長編なのに破綻することなく、ハラハラどきどきの展開にすんなり入り込むことができました。ヒロインの芯の強さが、ヒーローが騎士としての誇りを取り戻す為の一助になる。既視感のあるストーリーでも、さすがサクヤ先生。人物描写が細やかで新鮮味があります。登場する小さい子供たちの描写も愛らしくて和みました。ハイランダーっていいなぁと改めて感じる事のできる、見事な大作です。

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天使の笑みをもう一度横井里奈/ジェニファー・テイラー
泣けます! 評価5 5

ヒーローは今回もとてもセクシーで魅力的。そしてヒロイン!これまでの里奈先生のヒロインとは少しお顔の様子が違うような気がしました。一番大きな変化は目。モノクロの画面の上でも際立つ、透明感のあるその表現力に感服しました。二人共とても真面目で信頼に足る人物に描かれていて、惹かれ合うのも理解できます。そして誰よりも愛おしいのはハナ♡命を賭けた闘いに臆することなく、真剣に取り組む姿に目頭が熱くなります。努力を惜しまずミラクルを引き起こすヒーロー。美しく、たおやかなヒロイン。聡明で愛らしいプリンセス。これは里奈先生が描いて下さった、愛情溢れる新たな家族の物語だと思います。沢山の感動に感謝です。

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放蕩王の無情な妃選び藤本さみ/ケイトリン・クルーズ
気高きヒロイン 評価5 5

前作『国王からの結婚命令』の続編ですが、単独でも充分楽しめる作品です。自分が一人のものになるなんて全世界が許さないと嘯いていたヒーロー。仮面を被っていて本心を見せない弟だとまで兄に言われていましたが、そこにはとてもナイーブで真摯な素顔が隠れていました。五年間その存在を知らずにいた息子とも直ぐに打ち解け惜しみ無く愛情を注ぐ事ができるのに、ヒーローはどこか厭世的な態度を崩さない。両親の顔も知らず孤児として育ったヒロインは、愛情溢れる家族の暮らしを望んでいたからこそプレイボーイと名高いヒーローのもとを去ったというのに、今も胸の中に愛情の炎が揺れていて。愛は無いと言いながらもヒロインに譲歩し続けるヒーローがとても可愛い♡最後はヒロインの気高い覚悟が、三人を見事『家族』にしました。ヒーローも、ですがヒロインの魅力溢れる物語です!

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恋はすぐそばにこいでみえこ/ダイアナ・パーマー
読んでいて顔がニヤケます 評価5 5

純粋で堅物なヒロインは眼鏡と保守的な服装が定番な女性ですが、ゴージャスな美女よりも素晴らしい魅力に溢れています。ずっと自分を失わずに己をしっかり見失わずに過ごしてきた清々しい日々が垣間見えるようです。ヒーローへの楽しい妄想も愛らしく、素直に自分の気持ちを伝える事ができる姿は凛々しくもあります。真相を明かせぬままヒロインと恋に堕ちたヒーローが、強い煩悩と必死に闘う様子は愉快であるだけでなく心に染みました。それでも時々顔を見せる経営者ならではの自己主張の強さもヒロインにかかればあっという間になし崩しになってしまう。傲慢とは程遠いヒーローの懐の深さはやはり、ヒロインへの愛あればこそ。美しく躍動感に溢れた作品を是非多くの方に読んで欲しいです!

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シンデレラは秘密を宿す並木クロエ/マヤ・ブレイク
とても丁寧! 評価5 5

セクシーで何事に於いても完璧に見えるヒーローの辛い過去も、それに起因する心の「弱さ」も、それぞれストレートに伝わってきました。思いがけない誤解をされ傷ついたヒロイン。彼女にヒーローが最初に惹かれた部分(真摯に仕事に当たる姿)にリアリティを感じました。子供や曾祖母の存在が暖かくて柔らかく、サスペンスな展開の中でも一息吐くことができます。ヒーローの自分本意な行いを「悲劇的な未来への恐怖」と捉えることができるのも、ヒロインの愛情深さの為せる業でしょうか。部屋の調度品や建物の外観、登場人物の洋服やアクセサリーなど。何れも細やかにその時その時の状況を表していて、鮮やかな表現力に感服しました。

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夢の求婚者藤原基央/ジョージーナ・デボン
読み応えあります! 評価5 5

藤原先生初のヒストリカル?と何度も確認したくなる位、とても自然な物語でした。責任感が強く優しさに溢れたヒロインは、そっと抱き締めたくなる愛らしさを持つしっかり者の長女。妹の為にシャペロンを務める姿も痛々しい位に真摯で泣けてきます。経済的に豊かに暮らすヒーローは一見とてもスマートな独身主義者のようですが、物語が進むに従い明らかになる壮絶な過去を乗り越えたのだという事実が胸に迫り、強かな優しさと深い理解力を併せ持っている理由に納得できます。愛を認める前と後のヒーローの表情が全く違う事に驚かされました。藤原先生の描き分けが本当に凄いです!125ページが、その倍にも感じられる豊かなストーリー展開。細やかで艶やかな背景と調度品。これぞヒストリカル!と楽しむ事ができる力作です。

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塔に囚われたシンデレラ真原ゆう/ケイトリン・クルーズ
心の痛みを乗り越えて 評価5 5

二人が出会うきっかけが如何にも現代的でリアルです!ヒーローのヒロインへの対抗策には頷けませんが、こういう事もありそうだと納得できます。笑顔もなく、痛々しい程に仕事にのめりこむヒロイン。その覚悟の裏にある本当の苦悩は、ヒーローにも読者にもラスト近くになりやっと明らかになります。苦しみ続けたヒロインに大きな赦しを示したヒーローに、心からの感謝を伝えたい!サンフランシスコでの再会シーンを経て、二人は結ばれる運命なのだと確信できるのです。向かい合い、心の内を語るヒーローの言葉に、全て私もよと目線で応えるヒロインには本当に泣かされます。心の鎧を外した二人の日々の、なんと穏やかな事でしょう。未来に繋がる美しい終焉に拍手を送りたい気持ちになります。素晴らしい作品に感謝です♡

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大富豪とルビーの愛人荻丸雅子/ミランダ・リー
ミランダ·リーの有終の美 評価5 5

こちらの原作が、ミランダ·リー最後の作品と知りました。そのコミカライズを大好きな荻丸先生が担当して下さり、本当に幸運だと思います。スタイル抜群で男性にモテる筈なのに、どこか無自覚な可愛らしいヒロイン。彼女にどんどん惹かれていく自分に必死に抗うヒーローが抱えていた苦しみは意外なものでしたが、その素晴らしい人間性は周囲の友人を見ていれば判ります。感情を素直に出すヒーローは、大富豪でなくとも充分に魅力的な筈です。荻丸先生の手にかかれば、予想以上に愛情深い物語に整えられていく事が素晴らしい。ゆっくりと心に染みる、そんな幸せがここにあります!

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伯爵が愛した灰かぶりもとなおこ/アニー・バロウズ
恋心と共に成長するもの 評価5 5

砂糖菓子でできているような可愛らしいヒロインは、見た目を裏切る程芯が強く教養に満ちています。最初は少し自分本意な所もあったヒーローですが、掌から砂がこぼれ落ちるように姿を消してしまったヒロインを探す中で己と向き合い、自分に足りなかったものは何かを学んでいくのです。ヒロインを救った公爵婦人の圧倒的な存在感が、この物語の魅力を更に増しています。この方が主人公のお話も読んでみたいほど!一編の恋物語というだけでなく、登場人物それぞれの成長が美しく描かれていて胸に幸せが広がっていきます。さすがもと先生。読み終えた後の満足感は、今回も保証付きです!

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