モブの皆さんに至るまで人間味にあふれてて最高。ロマンスと言うか、幸せな魔法がいっぱい詰め込まれたおとぎ話です。過去の足枷に囚われたヒーローが、魔法使いの杖を持たずにヒロインを追って飛び出す瞬間、王子様にジョブチェンジ。ラストの列車のシーン、車掌さんたちと一緒に祝福したくなります。目を見れば愛は伝わる。読めてよかった♪

絵が綺麗で読みやすいし、善人ばかりで癒される。アメージンググレースは葬式に使われることが多い讃美歌のはずだから、鎮魂歌の意味合いも込めてるのかな？　ヒーローが一目ぼれした天使の歌声ってどんなだろうと思っていたら、ヒロイン実は素人さんで、ちょっと意外でした…。

さちみさん印のシリーズ。お得に読めて嬉しいです。内戦やら陰謀やら、ハードなシリアス設定なのに、可愛らしい絵柄とデフォルメとに、ついついほっこりしてしまいます。ヒロインたちは健気だし、ロマンスも素敵。あとは平和な国造り。寛容な民衆の皆さんと一緒に、幸せになって欲しいなー……。

堅物の長男と放蕩者の次男、といえば「うるわしのサブリナ」みたいですが、末っ子は定番通りの甘ったれではない、というところがポイントかも。両親の愛情に恵まれなかったせいで、結婚願望の無かった三兄弟ですが、祖父母にしっかり育てて貰ったおかげで、人間力（ヒーローレベル？）は極めて高め。それぞれ相応しいヒロインと出逢い、助け合って新しい人生を切り開いていきます。運命の赤い糸的火花が見える仲人さんの能力が羨ましい……。

金持ちでも冷酷でもなく、亡命したてで言葉の不自由なロシア系物理学者という設定が、個人的にツボでした。ヒロインがカメオ職人で、ヒスイが出てくるのも、ロシアの童話「石の花」を連想させて素敵。

美形伯爵の恋に落ち方が、うっかりしていて愉快です。ハーレの定番、美女に変身するヒロインも、単に外見を変えるだけでなく、姿勢や仕草や歩き方等、努力を伴った「マイフェアレディ」なところが好き。至る所にユーモアがちりばめられて、何度読んでも楽しめます。

二本立てのどちらにも貫禄ある老婦人が絡むのが共通点。そして、珍しくどちらもタイトルが中身を裏切っていません。 まず「夜は別の顔」、絵とお話とキャラクター、どれを取っても文句なし。特にハーレ好きじゃなくても、どなたにでもお勧めできるロマンスです。まあ、ヒーローの条件として、地位やお金や権力や、理不尽さをお求めの方は別かもですがｗ 「仕組まれたウェディング」は、逆にすごくハーレっぽいお話。線の濃い絵柄と書き込みが、電子媒体で読むには若干チカチカするのが残念。若く初々しいヒロインのキュートさ、落ち着いた年上ヒーローの誠実さが魅力です。ただ、おばあさまの嫁選び眼力は確かでも、「仕組まれた」と言うよりは、やはりヒーローとヒロインは、自分たちの努力で幸せをつかみ取ったのでしょう（そして勿論、そうあるべきですよね）。

雑誌で既読ですが、美しい絵と丁寧な心理描写、積み上げられるエピソードの説得力に、読むたび引き込まれてしまいます。ヒロインは真面目な秀才タイプ。内面にプリマドンナに相応しい情熱と誇り高さを持った女性。そしてヒーローは、傲慢さと可愛げの比率がちょうどいい「暴君」。セクシーな横顔で誘惑してくれます。ヒロインの一喝で目が覚めた後は、さぞ献身的な後援者、理解のある旦那様になるでしょう。二人の未来はますます豊かに、華やかに広がり、素晴らしい人生を送るのだと信じられるラストも素敵。他の方の評価の高さも納得です。