よくわからんけど皆感動して貰い泣き。処刑人のおっちゃんたちの戸惑いが可愛らしかったのと、エリザベスの本音が切ない。さちみ先生なら、女王を美女に描いても素晴らしかったのではと妄想。

当時の状況を思うと、ほんと、よくぞ生き残ってくれたと思う。二人とも強くて素敵。

微妙な読後感になるのは、話自体が、本編終了後の長いエピローグだから。本当の物語はすでに終了してしまってるので、ときめきようがないというか。ハーレなら、マックの本音や二人への祝福を書いたメモが、ラストでいきなり出てくるぐらいのご都合主義があってもいいはずは…。

あんな従姉と十年もいたら、誰だって不幸になりそう。過去の謎については、モヤっとするところもありますが、一応丸く収まってて良かった。

逃げるヒロインを追いかけるヒーロー、というのはハーレの定番ではありますが、今回ばかりは逃げる理由に無理があったのでは。いい大人だし子連れだし。

靴の代わりにコートを落としたのね。前半、ヒーローが一体どこで鬼畜の本性を表すのかと冷や冷やしましたが、ヒロインの善人っぷりが半端なくて、まったく修羅場にならなかった。復讐より愛が大事と気づけて良かった。このヒーロー、女性を見る目が読者の予想より確か。

天国の親父さんとお母さまのコマだけで泣ける。男の人ってバカだねえ。

真っ白い雪が降るのかな。パーフェクト超人お姫様。現代のプリンセスは、国民の理想を具現化したようなタイプでないと務まらないですね。父王が冷酷なだけの人じゃなければ、さらに後味のいいラストになったのに。

原ちえこ先生の作品に期待するもの全部がちゃんと入ってます。このヒーロー、馬鹿じゃないので大事なことにも多分自分で気づけたとは思うんですが、ヒストリカルヒーローは時々すごい視野狭窄に陥っちゃうので、ヒーロー祖母のように、本人をよく知る賢い女性が、背後で舵を取ってくれていると、やっぱり安心です。

一世代２５年でも二世紀を超える。９代先まで直系男子が絶えない家系が、世の中にどれほどあるかと考えると、呪いと言っても、９代かけて誠実さを学べってことだったし、ガヴァネス完全守護女神。

美しい線で描かれるスペイン紀行。フラメンコのシーンも綺麗です。子供時代をスペインで育ったヒロインですが、スペイン語は簡単な日常会話のみ。語学の読み書きは、勉強しなきゃダメだってことですね。ツンデレファザコンのヒロインと頑固おやじ風シスコンのヒーロー、心配性が共通点で頭が固いとこもお似合い。ヒロイン母、放浪癖のある画家を愛する人生って辛いね。

専制君主の父を憎み、暴力夫に従い続けるヒロイン母。男児を産んで祖父の農場を継ごうとするヒロイン。愚かしく、当事者以外に理解しづらい感覚ですが、先祖の土地への、宗教に近い執着があるのかなと思います。猛牛を乗り回すヒーローが常識人に見える。

お客の率直な意見を聞いてみたかった。妹の式に行ってみたら兄のだったｗｗみたいな。そして主役二人、大事な妹／従兄の挙式にはこだわった割に、自分たちの式への妹／従兄の出席はどうでもよさげ。優先順位が間違ってない？　絵は綺麗だし、コメディだと割り切って読めれば面白いんだろうけど。

ヒロインが心から悔やみ、苦しんでいるからこそ、執着されてしまったのでしょう。狂気には、真実なんて関係ない。とにかく、恨み殺されずに済んでよかった。結婚後は、遠くに住んだ方がいいよ。

本当に何もできないらしいヒロイン。上流社会のお嬢様なら、普通に高い教養を仕込まれてるはずだけど。政略結婚には乗り気なのに、花嫁修業はさせないパパ、過保護の方向がおかしい。向上心があるのは良い。　

目新しさはないけれど、あとがき込みでクオリティは確かです。ヒロインに怒涛の不運が続いてこその、ヒーローとの再会と救済（救世主はヒロイン）。そうでなければ、精神的五歳児なんぞ歯牙にもかけず、母子二人でたくましく生き抜いていってくれそうなのが、小越ヒロインの良さ。

亡夫の行動や遺書が意味不明すぎて置いてけぼり感半端ないけど、ヒーローの理不尽さだって負けてない。傍目にすら一目瞭然の一目惚れをしたのなら、婚約解消すべきでしょう。離婚は自業自得だし、前の奥さん気の毒すぎる。とにかく、こんな親友を持つ夫は嫌だ。

新生児を誘拐され妻も失ったヒロイン父。二十何年経って、犯人と犯人を母と慕う妹娘を見つけた際、即座に小切手を渡して姉娘の相続権を守り、起訴も復讐もせず縁を切ってあげている。相当な度量の人物だと思います。真意を推し量ることも無く、父の冷たい態度だけをなじるお嬢様ヒロインと、そのヒロインにおもねるヒーロー。なんだかなー、やっぱりお子様だよね。

名前も理性も覚束ない、無防備な美女を庇護下においてあれやこれや。設定上、ヒーロー視点で話が進むので仕方ないですが、このヒロイン、生きた女性というよりは、快楽のための人形みたい。デッサンがかなり崩れるし、画面はやたら白っぽく、ストーリーはもはや、突っ込んだら負けの状態。でもこの作画先生の魅力である、退廃的な表情や色気は健在です。ていうか多分、それしかない。

妻子を事故死させたヒーローが、どん底ヒロインとの結婚で、贖罪を果たす話。でもこの結末、ヒーローは満足だろうけど、ヒロインのほうは釈然としない。最後まで、不幸が芯まで染みついて、諦めることに慣れた女性という印象で、「素敵な旦那様に結婚してもらえて、ほんと良かったわねー」と思われるだけの人生になりそう。もっと自分に自信を持って、いっそ自分で求婚するか、憐れみの愛なんてお断り、と言ってのける強さを見せてもらいたかった。でないとこの先、ずっと傷の舐めあいで、幸せなセレブ妻が務まるとはとても思えないな。

地味に衝撃なのが、これだけ周囲の老若男女、みんなにモテるスーパー性格美人さえ、「誰かにこんなに優しくされたの初めて」と泣くほど感動しちゃうこと。万人に社交的かつ親切なのは、根っこの部分で愛に飢えてるからなんだなあ…。いいお話なんですが、キメ顔で見つめるヒーローの目線、なぜかいつもヒロインを素通り。

漫画版があまりにツボで、原作にも大満足です。知りたかった年齢は、王女二十六歳、王子三十歳。蛇事件の時は五歳と九歳。遭難の詳しい事情も分かって良かった。しかしヒーロー、四年間の極限生活から半年で、むしろ驚異の回復力。ラスト、追いかけて来てこその展開は、いわばハーレのお約束。うっかりロマンス小説まで書いてしまう彼なら、彼女の意図もお見通しでしょう。心の鍵、ピッキングしてもらえて良かったね。

デビュー作だそうだし、ハーレクインらしさ、ギリシャ人ヒーローらしさとは、みたいな意気込みは感じられる。確かにとってもざっくり言えば、大体こんな感じだよ…。背景やトーンなんかは、画像編集ソフトでなんとかする時代。使いこなして、理想の画面を作ってください。

ヒロインはマザコンのイギリス人女性で貴族出身。渡米し子守をしていた際、貧乏イタリア人ヒーローと出会い、一週間でベガス婚。偽りの結婚だと誤解し帰国。一年後、実はゲイの伯爵との挙式を、ゲイの従兄を伯爵に弄ばれた恨みを持つ、実は億万長者のヒーローに阻止される。ヒーロー実家のシチリアに行き、一週間後に離婚を翻意、ハッピーエンド。このあらすじをどう面白くなさるかが、作画の先生方のご手腕。

セレブ妻のストレス生活、みたいな内容なので、ロマンス読んでる気はしない。本気のストーカーを撃退するのは難しいし、ファムケはとっくに正気じゃなさそう。ラスト、本当に諦めて去ってくれたのかな？　このヒーロー、脇も甘いし影も薄い。

DV被害者で男性恐怖症ながら、カナダ・バンフのリゾートホテルの支配人代理を務める、有能な管理職のヒロイン。なぜお客様に、「ぺこっ」と頭を下げてしまうの？　美しい舞台で繰り広げられる、イタリア人オーナーとのしっとりしたロマンスが、日本の制服高校生カップルの話にしか見えなくなるよ。

ひたすらふわふわ、現実味のない話。いや、ハーレにそんなもの求める方が間違ってる気もするけど、いくら夢物語でも、一応の「本物っぽさ」は必要では。ヒロインは、離婚したアメリカ人看護士で、自動車のキャンペーンモデルとしてイタリアに行き、PTSDに悩む社長の息子（元戦闘機パイロット）と恋に落ちる。そういえばヒロイン、言葉で苦労してないな。