身内の犯罪を見逃してもらおうとする設定は苦手なのですが、今回はあまり抵抗感なく読めました。ヒーローがヒロインにべた惚れなのがわかるので、我慢＆嫉妬シーンなどニマニマしながら読み進めました。絵が丁寧でいいですね。少女漫画らしい可愛い感じがジェシカ・スティール作品に合っていると思います。原作者お約束のラストの大告白大会もバッサリ削られていなくてうれしかったです。

本当に父親が無実だと信じてるならそれ相応の行動を取るべきなのにそんなことはせず、ヒーローに責任があると思い込み続け、平気で生活の面倒を見て貰っている。母親も弟も金遣いは荒いし平気で嘘をつきヒロインにおんぶにだっこ。父親に至っては横領しておきながら罪に服すこともせず、自殺する時まで大嘘を吐く。ヒロインはヒロインでヒーローを延々逆恨み。不愉快極まりない。ヒーローも本当にこの一家の為を思うなら、言いなりに援助するのではなく、きちんと証拠を提示するべきだった。最後まで母親と弟が父親が罪を犯していたことを知らないなんて納得出来ない。

途中から篠崎佳久子さんの絵に見えてきて気になって話が頭に入ってきませんでした。 綺麗な絵になるのは嬉しいですが、ああもそっくりに見えると「真似し過ぎ」のような気がして少し嫌な気分になりました・・・（全体的には牧村先生の個性がでてますが、多くはないけれど所々のカットで鼻筋の描き方や目の描き方が牧村先生の絵ではなく篠崎先生の描き方なんです。とくに正面顔の鼻筋） おおまかなあらすじとしては弟による悪意のある嘘から生じたヒーローとヒロインのすれ違いによる回り道といったところでしょうけど・・・ 悪意のある嘘をついた弟に慰めてもらうためとはいえコロっと愛するようになるとか・・・弟の手管が素晴らしかったんでしょうけど、何だか納得出来ませんでした。

ヒーロー・ヒロインの顔も怖いがそれ以上に赤ん坊の顔が…悪夢見そう。夜中に読んだら眠れない。それにしてもヒロインが処女じゃないと誤解がとけない話って嫌過ぎる。噂を鵜呑みにして人を判断するのはヒーローだろうがヒロインだろうが好感が持てない。

そして偏見が凄まじい。これで本当に文化人類学者？どっちが野蛮なんだか。その上身勝手で人の話は聞かないし逃げる時間を与えられたのに逃げもしないで、逆ギレ。ヒロインの魅力が皆無でヒーローが何故あそこまで執着するのか理解出来ない。ヒーローが本当に誠実なのに全く信じて貰えず気の毒だった。

理由を知ってしまえば仕方ないとも思うけれど、教えて貰わなきゃただのストーカーだ。強引さがなければここまで嫌悪感はなかったかもしれない。何で共産党員でフェミニスト？と思ったが、みゆうさんのコメントで納得。コミュニストの間違いか。ヒロインはヒロインで仕事だろうと旅行だろうと異国に行く時は最低限の下調べはするべき。女性の恰好は自己防衛の為にもどう見られるかと言う意識は持たないと。この辺り上司がヒーローをお守り役にしたのは正解。一人じゃ間違いなく取り返しのつかないことになってる。少なくともヒーローに気を持たせるようなことは初めからしてないし、彼の態度に立腹するのは理解出来るが、卓袱台じゃなくてテーブル返しはいかんだろう。何備品壊してるんだ。それにしても、何故ああまで頑なに目的を隠していたのか理解出来ない。ロシア語わからないふりする必要がどこにあったのか？あれだけヒーローを鬱陶しがっているんだから、ちゃきちゃき会話して、通訳いらないと言えば良かったのに。もっともあのヒーローの場合、それならそれでボディガードだのガイドだのと言って纏わり付きそうだけど。謎が実につまらなくて拍子抜け。

ヒーロー妹が夫の妹に婚約者がいることを知らないなんておかしいだろ。全体的にヒロインが好きになれなかった。

これは…逃げ出したくもなる。ヒーロー父ヒロイン母の行為は一度きりだろうが、魔が差したでは到底済む話じゃない。特にヒーロー父、ヒーローにヒロインとの関係について言ってるけど、その原因は自分達だろう。結局ヒロインも知ってしまって…ヒーローは八年かかってもまだ苦しんでる。ヒロインもこれから先苦しむのだと思うとやり切れない。…でもね、あれだけヒーロー・ヒロイン弟が似てたら、他に気づく身近な人いると思うんだけど？

あの距離でヒロインが庇って刺されるのも無理がある気がする。ラストに至っては…仮にも王家ならDNA検査の結果出てから認知しろ。阿保か！

妊娠で感情が不安定な時に不仲通り越した祖父母の来訪のせいでいっぱいいっぱいなのを差し引いても、ちょっと酷い。何度も若くないと言ってるけど中身は思いっ切り子供だ。祖父母のことを人を見下すだの何だの言ってるが（まあ実酷いんだけど）、「掃除夫ごときに～」とか言ってる時点でこの祖父母にしてこの孫ありだろ。ヒーローはあれだけ出来た人なのに一体このヒロインのどこに惹かれたのかさ～（宇宙の果てまで伸ばす）っぱりわからない。

コミックを読んで、ページ数の関係で書ききれなかった部分を知りたくて原作を読むことにして、二人の心情を細かく知れて嬉しかった～♪全体的には本当に満足してるんですがぁ～話の内容として許せないのがというか納得出来ないのが、友人二人の誕生日プレゼントとして彼女を貶める行動と言葉！！友人として自分たちから話して謝罪するようにして欲しかった。後、母親が娘の彼氏にお金を借りる行為が正当化されてるところ！！私にはこの母が詐欺師にみえてしまった・・・・病気を患ってたから、元夫に騙されてたから、DVされてたから、だから家買わせて、お金借りて知らん顔って、なんとかいい母親にしたかったんだろうけど、無理があり過ぎでした。それでも大好きな一冊になりました。