ストーリーはとても面白かったです！わくわく楽しい。・・・けど、マーズデン氏が簡単にヒロインを許し、まるでオススメするかのようにヒーロー＆ヒロインの結婚を喜ぶのは「えーーーー」と思っちゃう。どういう理由があろうと、ヒロインは泥棒だよ、完全に。今後も何かトラブルがあったら、泥棒の腕を活かしたことをやらかすよ。「悪い子じゃないかもしれないが妻とするのは・・・」と渋るところだと思うよ！それにしても、ヒロイン父、本当にクズだね。

別府ちづ子さんがギャグっぽいのを入れてくるのは、私は気にならないんだけど、この作品はヒロインが「それでもヒーローに惹かれてしまう」って場面で頭悪いのかってくらいにパカッと明るくなってしまうので、気持ちが付いていけない・・・。　しかし、ヒロインだと勘違いされた赤毛の女性が、まさかの悪役男その人だったとは・・・。この人、そういうことを頼む女性もいないサミしい男か、そもそも女装癖なんじゃないか、と考えが行ってしまうんだけど（笑）

「誠実」とか「信頼」がテーマだったのかな～。ロマンスよりも人間愛に近い雰囲気の話でやわらかな印象でした。ヒーローの元婚約者の話も、ヒロインは嫉妬するのではなく心から尊敬してて、ヒーロー＆ヒロインの間は温かみと爽やかさを感じます。ヒーローがヒロインに言ったセリフ「仕事ができて役に立つから信頼する訳じゃないんだよ。きみが誠実だから信頼するんだ」は、ストーリーの流れから、上っ面な感じがしません。私がヒロインみたいにじわ～んとしてしまった（笑）　良い話です。

浜田理枝子さんの描く男の人って、妙にセクシーで好きです。このヒーローも良かったなあ。　ところで、ヒロイン宅での事件でヒロイン母が「ニコスは招待してないわ」と言ってたけど、「ジェレミー」の間違いですよね？そこ、すっごく大事なセリフなのに・・・興醒めしちゃうから、ちゃんとチェックして欲しいです。

ハーレクインでありがちな「悪女に騙され、ヒーローに裏切られたとかヒーローのために身を引こうとか勝手に思い込んで立ち去るヒロイン。そしてヒーローが追いかける」という話になるかと思いきや、不安をぐっと堪えてヒーローを責めず、事をじっくり見極めるヒロイン。ハーレでは意外な行動で、強い女性だった！新しいパターンになるかな～？

素敵な作品でした。ヒーロー・ヒロインの弱さと前を向く強さ。派手な情熱をほとばしらせるのではなくて、しっかりと向き合っていく＆一歩一歩を着実に進めていく二人が大人でした。鳥籠から出られないヒロイン母とヒーロー祖母のこと、「わからない」と思いながらも受け入れ見つめるヒロインの姿は「愛」だなあと思いました。また、ヒーローの「あの日泣いていた理由」を、二人の仲が整ってから話すという心の余裕が素敵。そういうラストも良いですね～。　ちなみに、1ページ目のタクシー内の場面。ミラーの下に変な人形がぶら下がっているのが妙に気になる（笑）「もしやこの人形がこの物語のキーとなったりして・・・」なんて、かなりの早とちりをしてしまった（笑）

他のみなさんのコメントと同じく、ヒロインを信じきるヒーローが素晴らしい！一度も責めなかったね。何より、最後の「この世を去る時は君の腕に抱かれて永遠の眠りにつきたい」という台詞に感動しました！一日の始めと終わりのことを言うヒーローはたまにいるけど、死ぬ時のことまで思い描く人って初めてかも。そこまでの深い愛、という作者の表現かと思います。うっとりして読み終えることができました。

ヒロインが勝手に決め付けて別れを決めたのは良くなかったですね。で、二回もそれをやって。それはヒーローも拗ねちゃうよなあ。だけどそれを詫びるくだりはきちんと描かれていて良かったです。ヒーロー・ヒロイン共に誠実。でも「結婚したら、僕は政治家を目指すから、きみは仕事を辞めて当然」ということを言い出すのは「え？！」と思いました。原作は古いのかしら？今だとヒーローは時代錯誤な感覚ですよね。　結果的にヒロインは政治家の妻がなんとなく合っていたようだけど、人は本来、向き不向きがあるから「愛さえあれば」なんでも出来るという訳でもない。どちらかに犠牲を強いる結婚は続かないよね、きっと。ヒロインがヒーローの要求を全部受け入れちゃう形になったのは、ちょっとモヤ～っとするなあ。もっとこういうことこそ、二人できちんと話し合って、この部分は頑張ってみるけれど、ここはどうにも無理だとあったら・・・・・て、それじゃあリアル過ぎてハーレにならないか（笑）

全体の雰囲気としては面白いんですが、細部がよくわからず。　読み返してみると、ヒロイン姉はPR担当のアビーのお兄さんと結婚するのよね。で、アビーのお兄さんが最後の方でヒーローと会って「従兄の僕の結婚式に出てくれよ」と話してる。てことは、ヒーローとアビーは従姉妹なのね！アビーはヒーローを幼馴染だと言うし、ヒーローは「28歳で出会った完璧な女性」だと言うし、言ってることが食い違っていてどうなってるの？？！　あと、ヒーローが自分の兄のことをすごく恨んでいて言葉を濁したから、後からその話が出てくるのかと思いきや、話にも上らずに既に亡くなっていた。だったら、あそこまで激しく描く必要あったの？なんだか要らぬ期待をさせられた感じでした。　全体的に面白かった印象だから、引っ掛かりが残っちゃうのが残念。

後書きを読んで印象が変わった。ヒーロー37歳だと？！てことは、6年前の脱童貞のチャンスの時も、既に31歳。日本よりさらに早熟なアメリカで、それって・・・そりゃあ、童貞こじらせまくるよ！なんてこった！後書きを読むまで「面倒臭いヒーローだな」くらいの印象だったけど、年齢を知ると「童貞こじらせっぷりをお見事に描きましたね、ダイアナさん！」に変わりました（笑）

最後、あまりにもコロッと改心したヒーローに唖然としました。ハーレではありがちではあるけど、これはその中でもかなりの変わりようという感じがする。いきなりあんなに「良き夫」になるかよ、と突っ込みたい。人はそうそう変わらないよ。

なんだかいちいち謎めいた風で訳がわからなかった。多分、単純な話なのに。てっきり初対面かと思いきや、ヒーローは前からヒロインを好きだったようだと後からわかり、でも初対面はいつだったのかもわからない。　ヒーロー母はどうして始めはヒロインのことが気に食わないのかわからない上に、実は応援？？　ライバルになるかと思いきや、後からはまったく出番のなかったヒーローの幼馴染女性は？？　ヒロインの元婚約者は手紙でネタ晴らしですか？？　そして、「え、これで終わり！？」という具合。なんのこっちゃ？？？でした。

自分に自信のないヒロインが、そんな自分を脱ぎ捨てて成長していく。そのきっかけが初恋のヒーロー。そしてなかなかダメンズなヒーローもヒロインによって素敵な男に成長するのね。読んでいても、始めは「おいおい・・・」と言いたくなるヒーローだったのが、最後には大きな心でヒロインを包む気持ちを持てるようになっていて、すごく素敵でした。じわ～っと胸が熱くなりました。

最初から最後までヒーローの微笑みは営業スマイルにしか見えない。いつ本気でヒロインに惚れたの？ 弁護士のところでヒロインが婚姻契約書にサインした時、ヒーローと弁護士が目を合わせて頷き合っていたよね。あれは何？ 他の方もコメントしてるように、ヒロインを愛しているなら「犯罪者を愛してしまった」という葛藤はないの？　疑っている場面はあっても、そういうヒーローの心の動きが一切描かれていないので、最後まで何か企んでいるようにしか見えないわ。　ヒロインはヒロインで、愛してると言われるだけで簡単に許しちゃってバカじゃないかしら？このヒーロー、信用に足る人かい？って言いたくなるなあ。