ヒロインはとても良い子。自己主張はするけど、大局を見て自己犠牲的な行動もできる。ヒーローはやや頭が固くおっさんっぽい。でも善良で面倒見がいい。話的に最後ご都合主義だけど納得できる。ではなぜこの評価なのかというと、ひとえにヒーロー父の行動が許せないから。元婚約者ジュールズの話が既読だったこともあり、彼女の立場や尊厳を全く顧みない態度に、ほんと腹がたった。この怒りでH/Hのロマンスも霞んでしまったよ。ジュールズはあんな人が義父にならずに良かったと思うことで、溜飲を下げるしかないね。

この話が「蝶に魅せられて」の後日談と知ったうえで読んだけど、同じ世界とは思えない程、空気や細部の情報が違う。こういうのHQでは時々ある。でも安易に漫画さんの改変とはせず、その根底にある意味を考えてみる。この二話に共通するのは、各ヒロインから見た姉または妹への評価が低いこと。視点によって、美人トレーダーは倦怠期の有閑マダムに、有能派遣社員は摂食障害の引きこもりになる。人が鏡を見る時無意識にいい顔をしてしまうように、自己の容姿や状況への認識は甘く、常に比較対象だった姉や妹への評価は辛口で妬みが含まれたものになっているようだ。折しも、過干渉な彼女達の母は、それぞれに別の役割を強いていたみたいだし。つまりそれぞれの話は、ヒロインが恣意的に感じた事象で、姉の夫の研究対象が蝶から猿に変わってしまうのも、その程度の興味しかないと思えば納得できる話になる。まぁ、人生の主人公は己なのだから別にそれでもいいのだけど、読者の客観的な視点から見ると、圧倒的に姉の生き方とストーリーに共感と感動を覚える。なのでどうしても妹は嫌われてしまうのだと思う。

主役二人のビジュアルは素敵なんだけど、H/H共にその思考に共感できず、ひっかかること多数。例えば、冒頭のファーストフードでの一幕。明らかにヒロインの方が攻撃的で失礼なのに、彼女は謝罪と弁償をきり出したヒーローを「中身はアレ」と評価する。同伴を希望されたパーティでダンスをし、目立ったから解雇されると涙する。ヒーローに至っては、シンママ労働者の彼女は裕福でイケメンな自分に惹かれるのが普通だが、階級？が違う相手は己に相応しくないとナチュラルに職業差別をしている。思うに、原作は結構古い時代の話で、それを現代に置き換えたけど、根底にある貴賤感情を漫画に落とし込めず、不自然な感じが残ってしまったのではないだろうか。絵が美しいだけに、残念に感じてしまった。

18歳当時のヒロインは、確かにギャンブル依存の夫に騙されて結婚したのだと思う。それは不幸だけど、夫のダメさを知った後でも、子供二人に現在妊婦って。流されすぎだよ。浅はかな彼女は、嫌なこと(母との関係など)からいつも場当たり的に逃げて、すがれる誰か(この話ではヒーロー)を見つけたら情に訴えて助けてもらい、状況が悪くなったら逃げるという人生を送ってきたのだろう。妻ヅラも手紙を隠すのもヒーローを誘惑して逃げ出すのも、ほんと嫌悪感が湧いて、途中から彼女への悪態が止まらなくなったくらい。18歳は子供じゃない言うが、あなたの場合それは体だけでしょ、と言いたい。

ヒロインの思考がとにかく幼稚すぎてダメ。彼女は「恋愛関係になる→男はセックスのみが目的、処女を捨てたら未来が開ける」みたいな意味不明の論理を持っているのだけど、発言の全てが痛い女で、嫌悪感を持つくらい。HQには時々こういう性に関して頭のおかしい女性が出てくるけど、この話のヒロインの嫌な点は、同じ穴のムジナなのに、なぜか偉そうでヒーローの性関係を批判すること。さらに、あれだけ友達に戻ると言っておいて、事後平然と彼に惚れましたと言う。そのプライドの無さが、人間としても浅はかだと思いました。

主要登場人物の行動と思考が全く理解できなかった。特にヒロインは性欲に流されすぎ。不条理な婚約者役を拒絶していながら、半分レイプって感じなのにノリノリなのは何故？ヒーローがそれ程テクニシャンなのか？彼女の姉は嘘つきの詐欺師で、妹＝トラブル処理係な扱いなのだから、もう尻ぬぐいする必要なくない？ヒーローも顔が怖いし、性格もめちゃくちゃ悪いしで、一目惚れとか信じられん。ラブコメなのかもだけど、ちっとも面白くないし、全くハッピーな気持ちになれなかった。

藤本先生の絵は、目の周りのトーンが目立っても美しいと思います。でも、この富豪姉妹のシリーズは読む度にイライラする。特にこのヒーローの罵倒しながら肉体関係を迫るとこや、嫌われてるのにヒロインの恋愛感情がモレモレなところが惨めでイヤ。そして何よりも、トラブルの原因を作った彼女達の父親が、いつも上から目線で、娘達を次に管理できそうな男達にあてがってるのに、ほんと腹が立つ。

浅見先生の絵は繊細でとても美しいと思うのですが、なぜかどのコマの人物も血が通っていない人形のように見えてしまう。立ち姿も腰かけている時でも常に姿勢が良いし、ポージングを決めた写真集みたいな感じ。そのせいで物語への感情移入が難しく、ハーレのテンプレストーリーだと尚更あらすじだけ追っているようになってしまい、とても勿体ないと思う。

ここまで、ほぼ全ての登場人物から見くびられてるヒロイン、滅多にいないと思う。ヒーローも元カレもヒーロー姉も、彼女を御しやすい思い通りになる人間と見ている。でもそれも一理あって、元カレを糾弾しない、義母になるヒーロー姉の策略を知っても父に告げるだけで暴こうとしない、屈辱的な態度のヒーローにすぐ惚れる、と全体的にチョロインなんだよね。さらにヒーロー姉の黒さ(あの電話もヒーローへの嘘も悪意の塊でしかない)や元カレの妻がヒーローの生き別れた妹というトンデモ展開も相まって、読者は物語の背後により大きな陰謀の存在を感じてしまい、ロマンスよりも狐につままれたような印象が強く残る作品だと思う。

ヒロインを最後まで好きになれなかった。「昔高飛車だった綺麗系ヒロインが落ちぶれ、現在地道に頑張ってる」みたいな話、結構好きなんだけど、なぜこのヒロインには嫌悪感を抱くのか考えてみた。1.ヒーローとの圧倒的な立場と経済格差。子どもを救ってもらい、住居も仕事も与えられて、初恋のイケメンゲット。ヒロインが享受した幸福は、ヒーローへの労働と愛情に釣り合っていないように感じてしまった。愛は金銭に換算できないものだけどさ。2.ヒーローとの別れとその後の行動に納得できないこと。結婚が不安なら一定の婚約期間を設けるなどできたはず。しかもまだヒーローが好きなのに他の相手とすぐ結婚するとか意味が分からん。最後の結婚の申し出を断るのも定番だけど、あんなに好意があからさまなヒーローだよ。都合のいい女呼ばわりでなくもっと熱烈に懇願されたい感がにじみ出てて、あなたそーいうの希望できる立場じゃないから、と思ってしまった。とはいえ、高井みお先生の絵は今回もとても素敵でしたけど。

HQには愛が分からない系ヒーローがほんと多いですが、このヒーローは愛に期待しすぎてる系で、しかもサイコ。世間一般には外面が良い。でも雇用上の強権を利用してレイプ、婚姻による囲い込みと支配。この対応の根源が、母の過去に父とは別の想い人がいたからって、明らかに頭がオカシイでしょ。幸福な家庭で育ったはずなのに、こんな極端な思考になってしまうとこも、自分の規範の中の愛を盲信するところも、サイコチックで、ヒロインは今後も苦労すると思う。

評価を下げてしまってごめんなさい。でもどうしても、失恋したてのアラサーヒロインが、医者で紳士的なヒーローを如何に籠絡しようかと、手ぐすね引いてた感じが拭えなくて。Ｈ/Ｈ共にやや影のある感じが、ヒーローは喪失で、ヒロインは計算高さと感じてしまう。確かにヒーローは彼女に救われているし、多少の恋の駆け引きだってよくある事なのに、ヒロインに嫌悪感を持つのは何故なんだろう。作画はとても素敵なのになぁ。

他の方の感想にあるように、ヒロインに全く、ほんとに全く魅力がない。容姿も性格も可愛くない。仕事も有能に見えない。母親には言いなりなのに、結果的に助けてもらってるヒーローには反発する。それも自分を貶める方向で。ヒーローがこの女性のどこに惹かれたのか読者には伝わらず、単に作者が契約結婚というシチュエーションを作りたかっただけのように感じ、白けてしまう。

いつも困った顔をしているようなヒロイン。周囲からも、忖度ばかりで本心を言わないと評されていて、実際にそう。自己肯定感が低く、都合の悪いことを隠すために何度も嘘をつく。はっきり言って 全く魅力的じゃない。ヒーローはこの女性のどこにそんなに惹かれるのか意味不明だった。他の登場人物も軒並み嫌なやつで、常識人はヒーローとヒロイン母くらいかも。

この話の男達ってダメ男すぎない？なのにそいつ等を好きになる都合のいい女性がいつも出てくる不思議。賭け事に溺れて妹に家業全て負わせるとか、女を買っておいていざ処女だと知ると激高する男とか、現実にいたら「地獄に落ちろ！」って感じだよね。たぶん家督や財産を相続できたのが、ほぼ男性のみってところがヒストリカルの男の最も重要な価値で、それがなかったら、見向きもされないヤツばっかりだったと思う。つまり結論として、ヒーローに魅力を感じなかったよ。

ほぼ全ての内容が、「ヒロインがヒーローに理不尽な罵倒→ヒーロー傷つく→ヒロイン後悔、しかし再度罵倒」の繰り返し。彼女はちょっと病的なくらい直情型で、思慮が浅く、自分の誤ちから目をそらす為に他人を攻撃するという最低な人間。こんな魅力のないヒロインも珍しい。ヒーローは、ヒロイン家族に知り合ったことが最大の不幸だと思う。

彼から「子供がいなくても僕さえいればいい、と言われたかった」と告げられるヒロイン。咄嗟に「養子じゃダメだった理由は、あなたに似た子供がほしかったからだ」と言うけど、違う、違うよ。それなら離婚ではなく卵子提供や代理母という選択肢もあったよね。ヒロインは最後まで「子供の産めない女性＝無価値」と捉えてしまう己のエゴに向き合わない。それは医師として致命的な思想だし、彼の存在よりも己が不完全である事が許せなかったと認めることになるから。でも女性はそういう欺瞞に敏感なので、読者は彼女の底の浅い奇跡に鼻白んでしまう。せめて自己の内面を彼へ正直に告白していたなら、きっとここまで低評価ではなかったと思う。

ヒロインは頭の回転が速く優秀なんだろうけど、会話中突然態度が豹変し、ヒーローをたびたび理不尽に罵倒する。こういう人とは、一緒にいても無意識に顔色を伺ってしまい、元カレが言うようにリラックスできないだろうなぁと思った。また失恋やヒーローに対する劣等感を抜きにしても、思考回路に女王様的傲慢さがあり、尊敬も共感もできない。結論として、高飛車さが魅力に思えず、嫌な女としか思えなかった。

このヒロイン、自分の欲望の為なら平気で詐欺レベルの嘘をつき、見苦しいストーカー行為を繰り返す。驚くべきは、ヒーローを騙している罪悪感が感じられないこと。たとえお付き合い→結婚まで進んでも、バレバレの嘘をついていたのだから、彼の親族から信用されないかも、と普通なら思うよね。思考が浅はかすぎる。現実世界でこんな女性がいても友達にはなれないな。物語なら、悪役の当て馬確実の性格だと思う。

今回久しぶりにこの話を読み直して、ヒロインの傲慢さとヒステリックな行動にだいぶ嫌悪感を感じてしまった。出会いからして、ただの旅行者が、予約もしていないレストランの席を自分の所有物みたいに主張するのは、頭がおかしいよね？雑誌記事だって明かにヒーローは被害者。結果として彼を陥れたのは事実で、謝罪するタイミングも十分あったのに、それをせずに同意でベッドを共にしたことを、後で罵る。これはヒーロー側も姑息だけど、彼の被った損害を考慮したら、このくらいの意趣返しも仕方ない気がする。その後も彼女はオフィスの額縁を叩き割るし、悪態ばかりで正式な謝罪もせずに被害者面。なぜこんなに、瞬間沸騰的な怒りを内に溜め込んでいるんだろう。彼女の育った環境が、男性への根強い不信感と敵意を作り出したんだろうか？一事が万事こんな感じの女性と結婚して、ヒーローは家庭に癒しを見出せるのか疑問に思ってしまった。

現代日本のお一人様ヒロイン１が、不思議な本屋で手にした本の世界に入り、その物語のヒロイン２を助け、恋愛を後押しする、という異色ハーレ。作中、入れ子状態になっている本は、HQヒストリカル「公爵と床磨きの乙女」で、現代パートは漫画家さんのオリジナルなようだ。まさに実験的なコミカライズだけど、OH太先生の画力とキャラクター造形の巧みさによって、Ｗヒロイン共に好感がもて、ハーレにしたら奇抜なストーリーにも違和感がない。公爵ヒーローが結構ゲスとか現代ヒーローの影が薄いとか、多少思う点もあるけど、総じて良い意味で印象的な作品になったと思う。巻末四コマも面白かったです。

こんなクズの自己憐憫男の話が、なぜHQ読者評価セレクションに入っているんだ！？、とセット内容を見直してみたら、評価が50件以上のお話とのこと。なるほど、良い評価ばかりを集めていると思ってたけど、悪い方に突出した話もセットに入ってしまうのね。それにしても、こんな話を漫画にしなきゃいけないなんて、漫画家さんが可哀そうです。

さちみ先生のギャグ系作品は、とにかく手書きつっこみが楽しいんですが、この作品は特にヒーローの変化がいい。前作ではキツい参謀系＋汚れ仕事もやります的な感じだったのに、今作では初めつっこみ系＋勝ち組で調子のってる、後半つっこまれ系＋三枚目的に全力で赤面台詞。まさに王子が言うように「ほんと面白いなぁ。最近のハンス」です。ところで、王子のとりまき残り二人も、スピンオフがあったのではと思わせる造形。雑誌が変わってしまったので難しいでしょうが、読んでみたかったです。特に渋めの黒髪の彼の話とか。

感想を書く時は、少しでも意味のある内容にしようと思っているのだけど、このヒーローに対してはただ一言「シネ！」で十分だと思う。

HQに出てくる記者ヒロインは人間的に最低な人が多い印象なんだけど、この話もそれに漏れず、ヒロインも彼女のライバルも高飛車で己の成功しか頭にない嫌な女。ヒロインは結局、ヒーロー自身も知らずにいた隠し子の公表には手を貸さなかったけど、それって彼の子を身ごもった自分の起こり得る未来だもんね。現実のマスコミ関係者が皆、知る権利を盾に他人のプライバシーを侵害しているとは思わないけど、少なくともこのヒロインの魅力は全く感じられなかった。

漫画も小説も、主人公を好きになれないとその作品自体の評価も下がってしまうという典型。私には彼女の境遇が種明かしされてもちっとも同情できなかった。諸悪の根源は義父なんでしょうが、未成年だとしても結婚するのに年齢詐称したままなんて、二度と信頼できませんよ。HQでよくある、身内の犯罪の軽減依頼も大嫌いだし、お金を払ってもらってるのに自己憐憫ばかりなのも最悪。その後の王宮での天真爛漫ぶったやりたい放題も鼻につくし。とにかく読んでいて不快になるヒロインでした。

ヒーローに魅力がなさすぎてひくレベル。ヒロイン夫の不誠実な過去を、ドヤ顔で暴露した描写には吐き気がした。しかもヒロインを傷つける気はなかったって、アホかよ。それが本当なら、あまりに無能で会社もつぶれるワ。兄の借金の肩代わり＆城を買い与える、これ全て金で解決。つまりヒロインを買ったも同然で、こんな男の求婚を了承する時点で彼女にも嫌悪感が。生き別れ妹話も取ってつけた感じだし、女をポイ捨てする男への秘書達の献身？も意味不明。登場人物全員共感できず、ただただ不快感が残った。

「優秀で性格はいいけど野暮ったい女性が、素敵に変身してヒーローを心変わりさせる」話って、ヒロイン、美貌もロマンスも手にいれて良かったねと思う反面、結局女は容姿が良くなきゃその価値を認めてもらえないのかよ、とやさぐれた気持ちになってしまう。後だしで気取らない君も好きだったとか言われても信じられないし。しかし、女性ばっかりルッキズムが顕著で、なんて考えていてハタと気づく。HQのヒーローって、職業的地位や財産はもちろんのこと、容姿もかなり魅力的。つまり高いハードルを越えれない男性は、ヒーローになれないってことに。そうか、HQの世界ではこの点に関して男女不平等ではないんだなーと目から鱗の思いでした。

パニックになって全方位敵だらけみたいな状態になってしまったヒロイン、私は理解できるな。決して順風満帆な訳ではなかったけど、ある男性を真剣に愛して息子を授かり精一杯生きてきた、というのが彼女の人生の根幹だったと思うのです。その柱の部分が崩れ、自分達は得体の知れぬ組織？人物？から見張られていたと知ったら、誰だってパニックになるよね。心の余裕がなくて、ヒーローや友人の言葉も拒絶してしまうのは致し方ない気がします。でもヒーローのモノローグが切ない分、ヒロインの彼への対応が不憫で、だからこそ最後の告白が盛り上がる。しんみりして、ハラハラして、彼の献身が報われるカタルシスを味わう。まさに心に残る作品です。

元妻の悪女っぷりは言うまでもなく、十代の頃の人妻、ナチュラルに自分本位なヒロイン、とどめは自分の吐いた暴言の対処は疑うべくもなく息子が行うと思ってる母。マジでヒーロー女運が悪すぎる。ヒロインはさ、騙されて可哀そうだけど、彼女自身の落ち度もかなり大きいよね。なのに中絶はしないけど表立つのは嫌、出産後は自由と報酬を要求、双子であると分かるとパニックに。過去とか考慮しても、好きになれなそうな女性だと思いました。